やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

まさか、まさか、の高校歴史教科書執筆(1)

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「まさか」「まさか」の歴史教科書執筆。完成品です。来年から全国の学校で使用されます。

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東郷平八郎、頭山満も登場します。

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日本の台湾植民も「反・自虐史観」で書かれています。



数年前、明成社さんから高校生の歴史教科書執筆依頼を受けました。インド太平洋の専門家として認めていただけたようで嬉しいかぎりでした。

いくらでも書きたいことはあったので気軽に引き受けましたが、一度「高校生には難しすぎる」という編集委員会の結論が来て、全面的に書き直し。さらに文献を確認しながら一文、一文書いたので、書き直しも合計したら4−5ヶ月はかけて執筆。例えば、沖縄の貧しさを表す「ソテツ地獄」という言葉を使うかどうか、様々な文献を読んで使用は適切でないと判断するまで数日。そんな作業の連続。

その後、あの有名な文科省の厳しい検定があってその間はどんな作業をしたかは一言も公やけにしてはいけないというご連絡があり、「歴史教科書」が生まれる困難な道のりを経験させていただきました。

この4月、検定をパスしたという朗報を受けた時の喜びは忘れられません。たった1頁ですが、あの苦労が報われるのか、と感慨一入。同時に情報解禁なので宣伝してくださーい、と言われSNSに書いたところ

「まさか早川先生が?」

「まさか高校生の?」

「まさか検定通過したわけでは?」

と「まさか」「まさか」のオンパレード。

「高校歴史教科書執筆」ってそんなに一大事なのだろうか?たかが教科書ではないか?教科書の歴史観が全てではないし、そうであってはいけないのに・・

私が書いたのは、平間洋一先生の歴史観です。日本の第一次世界大戦参戦を「火事場泥棒」と呼ぶ京大の平岡君とは180度違った内容。

次回は少し、執筆した1ページの平間史観インド太平洋について書きます!