やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

FSMパヌエロ大統領インド太平洋司令軍へ・・

これも大きな話である。米軍はパラオ、ミクロネシア同時に、(多分マーシャル諸島もだと思うが)安全保障体制の改革を進めていた。ますます、今年の島サミットの脳天気さが気に掛かる。海洋安全保障がかろうじて議案に入ったことを良しとしよう。

ミクロネシア連邦のパヌエロ大統領がハワイのインド太平洋司令軍を訪ねた。呼び出されたのではないだろうか?

単なる外交訪問ではない。米軍の関与を、しかもかなり確固たる関与を合意したのである。

ミクロネシア連邦がパラオと違うのは、中国との長い外交関係があり、何十年にも渡って中国の支援や政治的干渉を受けていることだ。それは第二列島線上にあるヤップのカジノ開発という名目の軍事基地化の疑惑が顕著である。

さらにミクロネシア連邦は300万平方キロメートルの広大なEEZに4つの州が、すなわち島が存在する。各州の安全保障はほぼないに等しい。2019年米国の若き女性弁護士が、島の女性子供の人権を守るべく活動していたところ、島の人に射殺されている。

大統領は「『米国はどのようにしてFSMを守るのか』という質問をしましたが、その答えはかつてないほど明確なものでした。ミクロネシア連邦は、私たちの共通の人間性における平和、友情、協力、そして愛を広げることにいつもとても満足しています。そして、米国のパートナーから私たちの共通の人間性における平和、友情、協力、そして愛を受け取ることは、祝福であり特権です。」と語っている。

米国の本気。日本は海上保安庁ではだめだ。日米同盟の新たな方向としてミクロネシア地域を米国と共に守ってほしい。これが私が2008年にミクロネシア海上安全保障事業を立ち上げた目的である。笹川陽平は何も理解していない。