ユドヨノ大統領、豪・PNGを訪問
3月、インドネシアのユドヨノ大統領がオーストラリアとパプアニューギニアを訪問した。
キャンベラ滞在中(3月9日~11日)はインドネシア大統領としては始めて議会演説を行った。密航船取り締まりに関する2国間の協力枠組みで合意し、領海警備等の相互協力が強化される。
11日にはパプアニューギニアに入り、ソマレ首相と会談。こちらでも軍事・警察の協力枠組みで合意。同時に地域沿岸保全活動「コーラルトライアングルイニシアチブ」の協力や、パプアニューギニアのアセアン加盟をインドネシアとして支持することも協議された。
1999年の東チモール紛争、2002年のバリ爆破事件(200名近いオーストラリア人が死亡)などインドネシアとオーストラリアは緊張関係にある。最近では密航、密漁、麻薬事件等も多発。
パプアニューギニアとインドネシアは、ニューギニア島西半分のイリアンジャヤ(西パプア)の独立問題を巡る緊張関係があった。しかし過去10年、パプアニューギニアは一切介入しない姿勢を維持。パプアニューギニアの兵員約3000人対しインドネシアの兵員は約40万人である。
インドネシアの大統領がオーストラリアを訪問したのは2005年、パプアニューギニアは31年ぶりとなった。
なお、ソマレ首相は3月28日から公式訪問として来日する。新しい大使館のオープニングと成田―ポートモレスビー直行便が今までの週一便から二便になることに合わせての訪問。
1936年生まれのソマレ首相は政治生活42年を迎えた。太平洋でただ一人残った建国の父である。1970年、当時信託統治施政者のオーストラリア政府の反対を振り切って、若き独立運動家のソマレ氏を日本に招き佐藤栄作首相と会談させたのは故笹川良一会長である。詳細は自叙伝”Sana”にある。
(文責:早川理恵子 2010年3月25日)