やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

太平洋に消えるお金の話し

f:id:yashinominews:20200625082500j:plain

パラオ、アンガウル島のリゾート開発計画 Solaris City

 

 パラオのアンガウル島が普天間代替基地に手を挙げた話しは、反響が大きく、もう少しちゃんと情報を得るように、との御指示もありました。

 早速、パラオの知人に連絡したところ、今パラオ国内では普天間どころではない。マレーシアの投資会社の問題で持ちきりです、とのこと。

 調べてみると、太平洋によくある「夢の投資」話しだった。

 

  マレーシアにあるUK Investments Holdings Limitedはパラオ政府の協力で2004年に設立。ペリリューとアンガウルに大規模なリゾート開発を計画した。しかし、投資した金は消え、事業は打ち切られた。金はどこに。関係者は罪を擦り付け合っており、政府がやっと重い腰を上げたところだという。

 この事業(事件か)に関与しているのが全てパラオ政府高官やチーフであることも厄介な話しのようだ。

 

 アンガウル島が普天間に手を挙げたのは日本のNGOが進めていたエコツアーがうまく進まなかったことが原因か、と想像していたが、このリゾート開発投資計画の失敗(否、成功なのかもしれない。)に終わったことが背景があるようだ。

 

 そう言えば昨年の春、マレーシアのアブドラ・バダウィ前首相がパラオを訪問したニュースがあり、なぜパラオに?と気になっていた。UK Investments Holdings Limitedのアドバイザーにその名前があった!

 

 同投資会社が計画したアンガウル島のリゾート開発のウェッブがまだインターネット上に公開されている。  http://solariis-city.com/

 

(文責:早川理恵子)