やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

キリバスの合気道

 市ヶ谷の家の近くに合気道の総本山、合気会道場がある。

 さて、20年前この合気会に私も数回通ったことがある。笹川平和財団に就職して1ヶ月もしないころの初仕事の一つだった。

 笹川太平洋島嶼国基金は1991年、キリバスの合気道活動に専門家を派遣する支援を3,430,730円かけて実施した。キリバス名誉総領事栗林徳五郎さんから協力依頼を受けたことがきっかけだった。

  キリバスの合気道道場は、日本の漁船に乗るキリバスの青年に日本語指導をするために海外漁業協力財団から派遣された日本人女性、峰岸睦子さんがボランティアで始めた活動だ。当時は300人近いキリバスの子供や青年が通っていた。

 2008年、キリバス出張の機会を得た。峰岸さんも去り、道場は閉鎖されていると聞いた。

 

 しかし、蒔いた種は実っていた。この道場の生徒だったテアタ・テルベアさんに10年ぶりにキリバスで会えた。

 テルベアさんは1990年に来日し、1997年亜細亜大学経済学部を見事卒業。

 帰国後、民間会社を経て政府職員となり、2008年にお会いした時は内務・社会省、離島局局長代理として、約30名のスタッフを指導する立場にあった。南太平洋大学の修士資格を取得、現在は修士論文を執筆中とのこと。

 峰岸さんも御健在のようだ。現在グアムで道場を主催。コミュニティへのアウトリーチも活発に展開している。