年末年始にかけて下記の3冊を一気に読んだ。
『「普天間」交渉秘録』守屋武昌著
2週間前には『ウルカヌスの群像―ブッシュ政権とイラク戦争』ジェームズ・マン著, 渡辺昭夫監修,を再読。
ミクロネシアの海上保安案件を進めるにあたって、やっぱりこれは「日米安保」の新しい側面を作る事業であるかもしれない、と考えるようになったからだ。 それぞれの著書を今まとめる余裕はないが、要点のみメモしておく。
・ 日本に安全保障の戦略的思考はない。「樋口レポート」で自主的防衛を示したとたん米国に潰された。
・ 米国は協調的安全保障を進める気は毛頭ない。米国単独で決定できる体制を維持したい。
・ 海上自衛隊と海上保安庁の間には深い溝がある。(現場より霞ヶ関の方が強い)
・ 沖縄の米軍基地問題は国内問題として捉えてはいけない。ミクロネシアを含む地域安全保障として戦略的思考が必要。(これは私見)
青学で永井陽之助先生から教わったクラウゼヴィッツに「水中の訓練」(だったか、手元に資料がないので要確認)がある。水中では動けば動く程、抵抗が強くなる、という話だ。 守屋さんの活躍振りを読んでいて、ふと思い出した。
『現代と戦略』永井陽之助著、文芸春秋発行、平成8年 154ー155頁
また、戦闘行為は、水中の行動の様に、「抵抗力のある媒体」のなかでの行動であるから、積極的に行動しようとすればすれほど、水圧と抵抗がまし、行動の自由をうばわれる。したがって、他の条件にしてひとしければ、一般に、戦争では、攻撃側より防御側に有利である、という重要な結論をクラウゼヴィッツは導き出した。これが彼の戦略論でもっとも示唆にとむ洞察といわなければならない。