やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

「安かろう 罪深かろう」

違法伐採が原因の西パプア州のウォンダマ湾県ワシオールの大規模水害

環境NGO「地球の友」の中澤さんが音頭を取る、フェアウッド・カフェに参加した。

木の問題と魚資源の問題に共通点を見つけた。 消費者が1円でも安い製品を買おうとして、生産者や自然環境を無視していることが、魚のアンフェアトレード、木材の違法伐採に繋がっている。 私もその、典型的な消費者。 一皿100円の回転寿しか行かないし、数千円のテーブルや椅子しかない。

水産庁の宮原審議官に、そして中澤さんに指摘され、0を一つ増やした消費行動を心掛けているが、ついつい安いものに手が出てしまう。 魚の産地を板前さんに聞きながら、木の産地を大工さんや家具やさんに聞きながら、というのはほどよい緊張を伴った消費行動だ。勉強になるし、豊かな気持ちになる。 FSC認証のニュージーランド産、シルバーバーチを輸入している中野さんは言う。

「木を一本切ることで生態系が壊れ、大きな災害を引き起こし、たくさんの人が死んでいるんです。木を切るなと言っているのではない。切るべき木を切らないで、切ってはいけない木を切っていることが問題なんです。」

バブル時代、疑問を残した伐採経験を持つ。 ネットの力は偉大だ。フェアウッド・カフェに京都の元衆議院議員河上みつえさんも参加された。 農林水産委員もされていたので質問がたくさん。 私は調子に乗って翌日開催された河上さんの集まりに参加してみた。

政治集会?というのだろうか?参加するのは初めてだ。 ここに偶然にも綾部からおじさん2人が来て、林業の実態を痛切に訴えた。 戦後、木材が足りないと言って植林された杉が今は安い輸入木材に押されて花粉をバラまいている。村の過疎化は進み、老人が何メートルもの雪に囲まれ一人で暮らしている。

議員さんは有権者に高い国産品を買いなさい、となかなか言えないだろうから、気がついた消費者が声を上げ、行動して行くしかないのだろう。 その翌日、キャンベラに住む西パプアの友人の村が洪水に押し流されたことを電話で知った。違法伐採が原因だそうだ。