やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

西パプア問題ーMSGメンバーシップは9月特別会合で再調整か?

7月14日は西パプアにとって歴史的な日とはならなかった。

MSG leaders defer West Papua membership decision

2016.7.15 RNZ

http://www.radionz.co.nz/international/pacific-news/308691/msg-leaders-defer-west-papua-membership-decision

メラネシアスピアヘッドグループ正式加盟を検討しているUnited Liberation Movement for West Papua。この組織が西パプアを代表していない、というのがインドネシアの主張で、MSG会議でもその事が協議され、この件が解決されるを待ち、9月に再採決という事らしい。

MSG事務局は急遽同組織のメンバーシップ規定を明確にする作業を進める。

United Liberation Movement for West Papuaは確かに国外に住む(ある意味亡命した西パプアの人々)が中心となっているので西パプアの住人でがメインではないのかもしれない。

しかし西パプア在住の人々に、自由に自分たちの意見を言う環境があるのであろうか?

それから植民されている地域の人々の正式な代表というのは誰かというは難しい問題なのかもしれない。現在正式メンバーのニューカレドニアの代表Kanak and Socialist National Liberation Frontはどのような正当性を持っているのであろうか?

沖縄のさまざまな活動が脳裏を過る。自衛隊反対、米軍反対。

これらの活動に関わる沖縄以外の人々の影響力は大きい。島の人々が迷惑に、また重荷に思うほど大きくなる。

西パプア問題は沖縄と全く状況が違うが、United Liberation Movement for West Papuaにアジテーターのような欧米のジャーナリストの存在が時々見える。

そして、西パプア問題に慎重なパプアニューギニア、フィジーと、一貫して西パプア独立支持のバヌアツの関係。加えて、今回の議長国であるソロモン諸島の動き。

なぜかMSG開催と同時にPIDFの会議がソロモン諸島で開催され、ニュースで見る限りではフィジーソロモン諸島の両首脳が仲良くしているのである。この事が今回の結果に影響しているのでは?というのは当方の勘だ。

<追記>

Decision on West Papua MSG membership pushed back to September

http://www.abc.net.au/news/2016-07-15/decision-on-west-papua-msg-membership-pushed-back/7631774

パプアニューギニアがセキュリティの件を気にしているとのこと。UNに先に関与させるべき。

MSG leaders defer decision on West Papua membership

15 July 2016 RNZ

http://www.radionz.co.nz/international/programmes/datelinepacific/audio/201808429/msg-leaders-defer-decision-on-west-papua-membership