やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

日本人が知らない「第二列島線上」の西パプア問題

8月17日インドネシア独立の日。

オランダ領であったインドネシアの独立に関与した日本は、日本が1942年に占領したオランダ領ニューギニア、現在インドネシア領となっている西パプア問題を全く知らない。

現在、米国企業(Freeport-McMoRan Inc., (FMCG)  based in Phoenix, Arizona.)を中心に鉱山開発が進む西パプアではインドネシア軍による先住民の弾圧、虐殺が報道されているが、先進国は、国連は何も動かない。

先週、サモアで開催された太平洋諸島フォーラム外相会議でバヌアツ政府が次回の国連総会に西パプア問題に関する決議案を提出する事が発表された。これに対し、西パプアに接するパプアニューギニアインドネシア政府との関係を懸念するフィジー、オーストラリア政府が留保を示した。

 

Vanuatu presents draft UN Resolution for West Papua to Pacific Islands Forum

Aug 13, 2018

dailypost.vu

 

西パプアには世界最大の鉱山がある。ビアク島は現在インドネシア・ロシアの軍事共同基地となっている。ビアク島に巨大な滑走路を建設したものも日本だ。柳田國男はオランダ領ニューギニアを第二の日本にしようと1942年の時点で主張していたのである。すなわち、インドネシアと西パプア問題の原因の一旦は、インドネシア独立に関与し、ニューギニアを開発した日本にもあるのではないか? もうひとつ。中国が進めようとしている第二列島線は、小笠原諸島、グアム、ヤップ、パラオを経由し西パプアに到着するのである。

この大きな問題を小国バヌアツが必死で国連総会に訴えようとしている。

 

 

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