キャンベル国務次官補のアイランドホッピング その7 ー パプアニューギニア編
キャンベル一行が訪ねたパプアニューギニアは、昨年クリントン長官も短時間ではあるがアジア太平洋の途中、2010年11月に立ち寄っている。確か女性グループと懇談したはずだ。
パプアニューギニアは太平洋島嶼国の中でも人口も多く(約7百万人弱)、800以上もの言語がある多民族国家である。加えて重要なのは銅、金、コバルト、木材、コーヒー、天然ガス等の資源が豊富であることだ。そして近海で取れるマグロも世界の市場が目を向けている。
中国の進出も目覚ましく、クリントン長官は公聴会で「今アメリカが援助の手を止めれば中国がパプアニューギニアの資源を確保する事になる。」と言ったような内容の発言をしている。
さて、オバマ政権は太平洋の安全保障と気候変動にエンゲージを約束。パプアニューギニアでキャンベル一行が表明、約束した事は。。
1.今までバンコック、マニラのUSAID事務所から太平洋島嶼国支援を行っていたが2ヶ月後にはパプアニューギニアに地域事務所をオープンする。
2.地球温暖化が問題となる中で、太平洋島嶼地域のクリーンエネルギー利用促進をこの9月にニュージーランドで開催されるPIF総会でさらに協議する。
3.各国の支援ですばらしい建築物が供与されているが、エネルギー効率に配慮されていない。特に中国と協力し、クリーン技術を導入したい。
4.漁業資源やその他の自然を護るため、EEZの保護をどのように恊働で進められるか協議したい。
7月4日。米国独立235周年記念日にはテディ・テイラー米国大使がもっと踏み込んだ支援策を表明している。
1.領土侵略は過去の敵である。現在の敵は、汚職、国民の教育や保健を脅かす悪い政治。2.女性や少女の発展や幸せを脅かす暴力に対し、USIADはパプアニューギニアとソロモン諸島の女性の地位向上のためUSD670,000を供出。
3.エイズ撲滅のための費用を、年間USD2.5百万から2倍のUSD5百万に増額。
4.太平洋の気候変動対策にUSD21百万を拠出。
5.沿岸浸食やエコシステム維持のためにマングローブ植林を実施するMotupore Mangrove Research and Planning Center に資金援助。
6.フルブライト等の奨学金制度を利用しパプアニューギニアのベスト&ブライテストを米国に招聘。
最後に、テイラー大使は米国との70年の友好関係を維持、支持したい、と締めくくっている。