手話は公用語 その6 ― カリキュラム
引き続きニュージーランドの手話教育カリキュラムを読んでいる。
100頁あるカリキュラムの後半はさすがに指導目標内容が8段階に分けて具体的に書かれてあった。
8段階を通して3つの視点で書かれている。
- Language skills
- Communication Function
- Sociocultural Context
Langauge skillがどのように8段階で発展していくのかというと、最初は手話に慣れ親しむ。徐々に自分で表現ができるようになっていくという流れだ。
Communication Functionでは、最初は「さよなら」「こんにちは」などが表現できること、それから「要求」「受容」「提案」ができ、8段階目では確実性、不確実性、可能性、蓋然性(!?)が表現できること、とある。
Sociocultural Functionではニュージーランドのろう教育の歴史から始まって、最後の方は有名なろう者が国のまた世界の教育に与えた影響を説明できること、とある。
以上はほんの一部を適当に書き出しただけです。
この8段階を5歳,時には幼稚園の頃から始めて18歳当たりで終了するようになっている。
早速、娘の先生にインタビューしてみた。
新任の先生で緊張させてしまったようだ。「よくわからないけど~」と教えてくれた事は、手話教育は義務ではなく、各学校が授業に取り入れるかどうか決めるのだそうである。手話だけでなく他の科目も各学校の裁量に任されている。
その先生曰く、大学の教員コースでは一こまだけろう者がクラスに来て学んだだけ。きちんと学んだ様子はなさそうでる。後は同僚の先生から少しずつ教えてもらって、子供達に教えている、とのこと。
そして手話教育は普段の授業の中で、何気なく取り入れているようだ。ちなみにニュージーランドの学校は時間割も教科書もない。
あまり教師に負担にはなっていないようであった。
そうだよね。大人しく座らせるだけだって大変なのに、手話をきっちり教えようなんて逆効果になりかねない。
もし機会があれば手話教育の専門家にインタビューしてまたご報告します。
アレクサンダー・グラハム・ベルとろう教育 [2010年07月21日(水)]
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