やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

速報 ロシアのラブロフ外相フィジーを訪問

速報 ロシアのラブロフ外相フィジーを訪問

 太平洋でロシアと聞くと、80年代の冷戦か90年代のナウルのロシアマフィアによるマネーロンダリング(年間700億ドルとも)を思い出す。

 

 オーストラリアのラッド外相と会談を終えたセルゲイ・ラブロフ外相が2月1日、専用機でフィジーに到着。バイニマラマ首相との面談後、イノケ外相との会談、そして太平洋島嶼国の大臣との会談があるという。

 冷戦でもマネロンでもない。なぜ来たのか。

 グルジア問題が太平洋に飛び火していた。

 グルジアとロシアが対立する南オセチアアブハジアの独立を巡ってロシアが援助で太平洋島嶼国(ナウル、ツバル、バヌアツ)の支持を買ったらしい。ナウルには50mUSDの「人道援助」がされた、という。

 軍事政権のフィジーは伝統的な友好国、オーストラリア、ニュージーランドから制裁を受けており、中国との関係を深めている。ロシア政府は援助でフィジーの支持も取り付けようとしているのではとの憶測が流れている。

  FIji Sunによれば、年間ロシアから5-6百人の観光客をフィジーは迎えているが、さらなる観光誘致のためにもビザフリーの協定が協議されたという。

 日本は以前フィジーと直行便があった。しかし中国がビザフリーにしたこと等もあり、日本を結ぶ便は廃止され、香港に取って代わられた。