やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

「海洋基本計画(原案)」に対する意見の募集(パブリックコメント)

内閣官房総合海洋政策本部事務局より「海洋基本計画(原案)」に対する意見の募集(パブリックコメント)がされています。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kaiyou/public/goiken.html

寺島運営委員長のブログで知りましたが意見募集期限が7日しかありません!

下記の4点の提言を急遽作成しました。

太平洋島嶼国支援の意味、消費者の責任、それから外務省のODA案件の3点です。

他にも興味深い項目がたくさんあります。

できれば2、3ヶ月パブコメ募集の期間を設け、公開質問会等も設けたら、世論に喚起するのではないでしょうか?米国の海洋政策がそのようにやっています。

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海洋基本計画 パブリックコメント

11 国際的な連携の確保及び国際協力の推進、(3)海洋に関する国際協力の項で、「太平洋島嶼国」が明確に記述されている事を大いに評価したい。

なぜ「太平洋」の島嶼なのか、という点についてスペースの関係上記述は困難かと思うが提言したい。

<提言1>

良くも悪くも太平洋は米国の利益であり、太平洋島嶼国への支援は日米同盟の新たな方向として位置づけるべきである。

米国の50%以上のEEZが太平洋にあり、同国が自由連合協定を締結する即ち米国が責任を持つべきミクロネシア諸国の海洋もある。米国とアジア諸国をつなく航路の確保としても重要。

<提言2>

太平洋島嶼国の中でも地理的にも歴史的にも日本と関係が深く、米国と特別な関係にあるミクロネシア3国および、米領ミクロネシア(グアム、マリアナ諸島)への支援に重点をおくべきである。

ミクロネシア3国については、既に日本財団笹川平和財団が、海上保安庁、米豪政府との協力関係を構築し基盤を整備しつつある。

8 海洋産業の振興及び国際競争力の強化、(1)経営基盤の強化に「1消費者の関心に応え得る水産物の供給や食育の推進による消費拡大」が唱われているが、消費者の海洋資源管理への責任も明記すべきである。

<提言3>

漁業資源が枯渇し、違法操業に改善が見られない現状は、消費者の行動にも責任がある。適正な価格で、即ちフェアトレードで魚の消費をすべく、消費者教育を産業界、NGOを含め促進すべきである。

第3部 海洋に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項、1 施策を効果的に推進するための総合海洋政策本部の見直し、も大いに賛成する。

例えば、前回の太平洋島サミットで海洋問題が始めて議案にあがったが、総合海洋政策本部との調整がされている様子はなかった。またアジア諸国へのODAによる警備艇供与が検討されているがこれも経験と実績のある海上保安庁日本財団との調整はされていないようであった。こういう事項こそ総合海洋政策本部が把握し、関係者の調整をべできある。

<提言4>

政府が行う海洋案件、特に外務省が担当するODA案件は、総合海洋政策本部との密接な協議をすべきである。