やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

Terms of engagement: Australia’s regional defence diplomacy

ASPIのベルギン博士とベイトマン博士がまたレポートを出した。

"Terms of engagement: Australia’s regional defense diplomacy"

http://www.aspi.org.au/publications/publication_details.aspx?ContentID=365&pubtype=5

太平洋島嶼の事だけでなく、東南アジア、東チモール、インド洋、パプアニューギニアの章も立てられている。

太平洋島嶼国の章では、サブリジョナリズムに注目せよ、と。

これは日本財団笹川平和財団が行っている事なのです。

勿論我々が行うミクロネシア海上保安支援事業の事も明記されている。

但し、一カ所勘違いしている。

日本はパラオに戦略的意味を見いだしている、とある。

多分、パラオに戦略的意味を認識している日本人は私の他にあと数人。

キャンベラの日本大使に聞いてご覧なさい。

パラオなんて知らない可能性もありますから。とメールしておいた。

日本とパラオの関係が強固になったのは、ひたすらナカムラ大統領と故三塚博議員の信頼・友情関係であろう。三塚議員の初パラオ入りをアレンジしたのが笹川平和財団の初代田淵節也会長。

それから石原慎太郎氏。石原議員の紹介で日本財団が初代日本丸、大和丸の二隻を建造。1990年寄贈している。現在の日パ議員連盟会長は石原伸晃議員。

(詳細は笹川会長のブログ:http://blog.canpan.info/sasakawa/archive/2766

ナカムラ大統領は独立後のパラオを導いてきた。現在のレメンゲサウ政権の流れも作ってきた。

ベルギン博士にもう一言、メールした。

「ご存知と思いますが、日本がミクロネシア統治をしたのは、チャーチルが日本に第一次世界大戦に参加して欲しいがために、秘密協定で赤道以北の独領を日本にあげる、と提案したからです。少なくともチャーチルは当時の豪州海軍に太平洋の島々を守る能力がない、と判断していました。」