安倍首相のフィリピン訪問。
以前より協議されていた海上巡視船の供与が7月27日発表された。
本件、外務省のODA担当局から昨年照会があったので、詳細を知る立場となり、関心があった。
日経新聞の記事によれば
「フィリピンは12の管区を設けて海上を警備しているが、外洋まで警備できる35メートル級の巡視艇は4隻しか稼働していないという。日本が供与する10隻を合わせれば、管区ごとに1隻は配備できる。2014年から3年程度かけて供与する。」
とある。
35メートル級の外洋航海可能な警備艇、10隻という事であろうか。
新聞記事は憶測も事実として書かれている事が多いので、詳細な支援内容は順次確認していきたい。
このフィリピンの海上保安強化。パラオの、ミクロネシアのそして太平洋諸島の海上保安と無関係ではない。イヤ、無関係であってはならない。
現在の太平洋諸島の海上警備。ない、と言っても過言でない。特に外洋の警備。
だからこそ、苦肉の策でレメンゲサウ大統領は全EEZ商業漁業禁止計画を提案したのである。
35メートル級の外洋警備艇に等しいオーストラリのPPBPが太平洋島嶼国各国に夫々1−3隻供与されている。が、それを動かす燃料費、人員、メンテ、等々島のキャパシティは追いつかない。
そこでUSCGがやっているのが、シップライダーズ。島嶼国の海上保安能力強化ではなく、USCGの警備艇に島嶼国の法執行官を乗船させて、島嶼国の海上警備を行うスキームで、太平洋全体に拡大している。
しかし、キャパの視点から言えばアジアは別格。
親分情報によるとフィリピン、インドネシア、マレーシア等々、外洋船をどんどん供与しても運用するキャパは十分あるのだそうだ。
ここで緊急提言をしたい。
海はつながっている。パラオとフィリピンの海洋はお隣。
違法操業が行われているのもこの隣接海域。トビ、ヘレン環礁の周辺。
具体的にはニウエ協定に準じた、2国間の海洋監視協定の締結や、フィリピンの外洋警備艇にパラオの法執行官が乗船し警備する、シップライダーズ協定が考えられる。
この2国間協定をアレンジするのは、日本の役割ではないか。
できれば、日米豪が某の形でバックアップ体制を作れると良いと思う。