やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

薗浦健太郎議員のミクロネシア訪問

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内閣総理大臣補佐官(国家安全保障に関する重要政策担当)薗浦健太郎衆議院議員とレメンゲサウ大統領

お会いしたこともないのですが、勝手にフォローさせていただいています。

なぜか? 2015年のバヌアツサイクロン支援の際の同国訪問以来、ずっと小島嶼国を回っていらっしゃるのです。こういう国会議員は今までいませんでした。

安倍政権が小国、島嶼国を重要視している証左です。また薗浦議員ご自身が国際社会での小国の重要性を認識されている、ということです。

さて、パラオのあらゆる越境犯罪を暴露した当方の記事が掲載された月刊正論5月号発売日、

薗浦健太郎衆議院議員ミクロネシア連邦パラオに向けて出発されました。これは偶然ではありません。運命です。それで議員のフェイスブックにあーだこーだ、とコメントさせていただいたところ、うるさいおばさんがいる、と思われたのでしょう、お返事がありました。

「日米豪で、これから色々とやっていきます」

私のコメントは下記です。

ミクロネシアの海洋安全保障 ー 米豪の顔を立てつつ、日本が主導して欲しい。その基盤は日本財団と,笹川平和財団が、いや私が戦後初の日本の安全保障政策「樋口レポート」を書いた渡辺昭夫先生の意思を継いで構築してきました。」

さて、今日パラオ大統領府からニュースが出ていました。

議論された内容は

discussions on the Pacific Islands Forum, maritime security, border security and illegal, unlicensed and unregulated fishing (IUU) among other common matters of concern and importance.

太平洋諸島フォーラム、海洋安全保障、国境警備、違法操業、他重要事項。

そしてさらに

support and assistance for direct flight services between Japan and Palau following the suspension of Delta Airline’s services, continued partnership between the two nations on the Ship Rider Program, partnership in the upcoming “Our Oceans” Conference

5月から休止になるデルタ直行便対策、シップライダーズ そして “Our Oceans”会議。

シップライダーズとは、日本の水産庁が派遣している取締船へのパラオ法執行官乗船の事業です。2014年に私が水産庁(宮原さん)に発破を掛けて動かしたのです。

米豪政府も島嶼国のキャパシティを考えるとシップライダーズがベストソルーションと知っています。EEZを監視できるような船を小島嶼国が保有し管理・運営するのは無理です。

“Our Oceans” は止めてほしいと個人的に思います。

オバマ政権の、ケリー長官の、PEW財団デカプリオの”フェイク”海洋保護活動、負の遺産です。やるなら「クロマグロを食べてヘルシー・ハッピーに」とか「手付かずの海から里海へ」とか、発想を180度変えてほしい。

島巡りの実情を知っている当方は薗浦健太郎議員のアイランドホッピング、同情しています。自衛隊の飛行機、オスプレイか何かで回れないのでしょうか?