やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

寅次郎あじさいの恋

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50近くになっても人生色々な出会いがあるものだ。

最近、ご近所に引っ越された方から京都と江戸の共通点を示す題材として、ナント! 『男はつらいよ、寅次郎あじさいの恋』をご紹介いただいた。

寅さん、懐かしいなあ。テレビでよく観ていた。

しかも、ただのDVDではだめで立川志らく師匠の解説が入った「山用洋次 映画監督50周年」記念企画 寅さんDVDマガジンを入手せよ、と親切に教えていただいた。

早速アマゾンで入手しました。

この映画は、寅さんシリーズでもめずらしく、いしだあゆみさん演じるマドンナに寅さんが愛されてしまう。マドンナがわざわざ丹後の伊根から、葛飾柴又まで寅さんに会いにきてしまうストーリーである。

京都の葵祭に現れた寅さん。京都に住む人間国宝の陶芸家、加納作次郎と出会う。

陶芸家を演じるのが十三代片岡仁左衛門さん。カッコイイ。

で、陶芸家宅で女中をしていたのがマドンナのいしだあゆみさん。

この映画、寅さんといしだあゆみさんのラブストーリーなのだろうが、寅さんが

「あのじいさん、かがりさんに惚れてんじゃねえか?」と冷やかす場面がある。

薄幸の女性、かがりさんが、丹後から柴又まで出てきたのは、このじいさんに説教されたからなのだ。

結婚するつもりでいた男性に振られたばかりのかがりさんを目の前に、

「人間というものはな、ここぞという時には、全身のエネルギーを込めてぶつかっていかなければあかんで。」と拳で机を叩いて怒るのである。

女中さんにここまで言うだろうか。

老齢の陶芸家は、寅さんが言うようにかがりさんを好きだったのだろう。

かがりさんもその気持ちはわかっていたのではないだろうか。

男女の愛にも色々ある。父のような、友人のような、恋人のような、弟のような。。

   忍ぶ恋こそ誠なり。実らぬ恋こそ粋な恋。