やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

"Peacemakers: The Paris Peace Conference of 1919 and Its Attempt to End War"

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今年の一年の計は百周年を迎える「第一次世界大戦」にした。

最近、マーガレット•マクミランを知り"Peacemakers: The Paris Peace Conference of 1919 and Its Attempt to End War"(英文)を手にした。厚い!5センチ位ある。

全部読むのはあきらめてForward, Introduction, Mandate, Japan and Racial Equality, Conlusionだけ読んだが面白かった。

E. H Carrが『平和の条件』で批判しているself-determination。ウィルソン大統領のいい加減さはまさに空いた口が塞がらない。しかし、この理想主義が現在の国際問題にもつながっている。

ニクソン大統領がウィルソンの肖像画を飾った時、キッシンジャーが戦慄を覚えた、というほど。

 

そして、今集団的自衛権が議論されている中、第一次世界大戦こそ、日本史上最初で最後の集団的自衛権の行使だったのであるから(のはずだけど間違っているかもしれません。)この経験を今検証しないでどうする?と思うのだが、歴史のif呪縛にかかっているのかifの議論がされてないよね。

ANZACを護衛した日本は逆にANZACから恨みを買ったのだ。豪州ヒュー首相のベルサイユでのあの態度。日本に守ってもらったのにお礼の一言もないわけ?墓を掘り起こして問いただしたい。

今の豪州にもありますよ。この件を話題にするとOZは気まずそうである。特に王立豪州海軍。

やっぱり情報操作、プロパガンダが必要だし、いよいよ安倍首相の豪州訪問が重要な意味を持ってくる。

 

 

本の方が断然おもしろと思うが、下記の記事は手軽に読めます。マクミラン、ワシントン軍縮会議の事を取り上げていないのが気になっています。

World War I: The War That Changed Everything

World War I began 100 years ago this month, and in many ways, writes historian Margaret MacMillan, it remains the defining conflict of the modern era.

By MARGARET MACMILLAN

Updated June 20, 2014

http://online.wsj.com/articles/world-war-i-the-war-that-changed-everything-1403300393

 

追記

今日は朝から、ショパン(ポーランド)、ハチャトリアン(アルメニア)、シューベルト(オーストリア)、マンチア(伊)を弾いて、欧州の民族自立を思いを寄せた。欧州の音楽の豊かさは民族文化の多様性と民族自決の精神と無縁ではないであろう。例えそれが好ましくない結論を導いてしまったのだとしても。