やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

太平洋諸島フォーラムと海洋問題

太平洋諸島フォーラム(PIF)はIONet事業の主要パートナーである。

PIFが海洋問題をどのようにその組織の中に位置づけているのか整理したい。

まずPIFの主要活動領域が下記の3点。

1.経済ガバナンス

2.政治ガバナンスと安全保障

3.戦略的パートナーシップとコーディネーション

この3つ目の「戦略的パートナーシップとコーディネーション」の中には、気候変動、ジェンダー、障害者等々16の項目があり、その一つが「海洋」Oceanである。

Oceanの項目の下に多くのサブ項目があるが、海洋政策の項目の中にリストアップされているのは、下記の6項目。(UNCLOS IWC等の国際政策も入っているがそれは除いた)

1 Pacific Islands Regional Ocean Policy (PIROP)

2 Pacific Oceanscape Framework

3 Waigani Convention (有害廃棄物、核廃棄物関連)

4 Te Vaka Moana Arrangement (TVMA)(漁業関連のポリネシアの枠組み)

5 Vava’u Declaration on Fisheries(漁業関係)

6 Forum Fisheries Agency (FFA) the Regional Tuna Management and Development Strategy (RTMDS); and the Regional Monitoring, Control, Surveillance Strategy (MCSS) (これも漁業)

注目したいのが国際パートナーシップの項目に日本財団フェローシップが掲載されている事である。PIFはこのフェローシップを重視しているように見える。多分海洋に関する人材育成の機会としては貴重なのではないか?

海洋保護活動として列記されているのはミクロネシアチャレンジを含む下記の15の活動

1 Cook Islands Marine Park (CIMP)(デカプリオもメンバーのOcean5が支援している)

2 Coral Reef Initiative for the South Pacific (CRISP)

3 The Phoenix Island Protected Area (PIPA)

4 Development of Shark Sanctuaries

5 Great Barrier Reef Marine Park Act

6 New Caledonian Coral Sea Initiative

7 Pacific Ocean Initiative (POI)

8 Pacific Oceanscape Framework(トン大統領のイニシアチブ)

9 Papahanaumokuakea Marine National Monument

10 The Coral Triangle Initiative

11 The Locally-Managed Marine Area (LMMA) Network

12 The Micronesia Challenge

13 The Pacific Ocean 2020 Challenge

14 The Parties to the Nauru Agreement (PNA)

15 The Phoenix Ocean Arc

以上、6つの政策と15の保護活動を詳細に見ていけばPIFの海洋活動の全容が見えてくるかもしれない。

しかし、要点はPIFは政策を中心とした組織で海洋の専門家は多分一人しかいない、という事である。つまり具体的な活動や、政策作りをする時はPIFがパートナーとしているFFA, SPC, SPREP, USPと協力する事になる。