やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

利用されないODA

元フィジー大使だったという方からレセプションの席ではあったけれど、日本のODAで供与した船が利用されなかった、という話を聞かされた。

船は海にプカプカ浮かび、現地の地域国際組織SPCが使用料を払って利用していたという。

その利用目的が当初のODA支援の枠内なのであろうか?

まあ、よくある話、よく聞く話ではあるが、大使から聞くというのは若干のショックであった。

それで思ったのは、笹川平和財団ミクロネシア海上保安事業である。

ミクロネシア3国の小型の警備艇を供与しているが、10年分の燃料とメンテ、加えて人材育成、通信の支援までしている。

この事がどれだけ画期的な事であるか、どれだけ理に叶った事であるか。

この元大使、当方のボス羽生会長の知りあいだという。

思わず役所をリタイヤしたこの2人の官僚を比較してしまった。

やはり羽生会長は経験値の習得能力に優れ、行動の人であると納得したのであった。