ミクロネシア連邦、ポナペ島にThe Villageというエコツーリズムで有名なホテルがあった。
パラオ観光局の方と話をする機会があったがこのThe Villageの話をしたらご存じない、という。で、ここに書いておきたい。
1991年には米国政府から初めてのエコツーリズム賞を受賞し、世界のエコツアー客にも有名なホテルだった。
私も何度か泊まらせていただいた。
ああ、ポナペに来たんだなあ、と思える、即ち観光客の期待に100%以上応える場所であった。
しかし、エコなため、窓は網が貼ってあるだけで、嵐の夜はオソロしい。
屋根はヤシの葉で出来ていて、ヤモリが山ほどいる。
ヤモリのウンチ対策も大変であった。
そして何故かウォーターベッドだった。これが寝れない。
海を見晴らす素敵なバーとレストランがあり、またオーナーは島の教育委員会の委員等であったため、出張時はなるべく訪ねて、話を聞く機会を設けた。
そのThe Villageが2013年、40年の歴史を閉じてしまったのだ。
最初4名だった土地の所有者が、いつの間にか26名に増えていて、リース交渉が手こずり、諦めをざる得ない状況に追い込まれた事が原因。
このブログを書くために、ウェッブサーフィンしていたら、The Villageのオーナー、ボブとパティが直面した困難はこれだけではなかった事を知った。
ポナペ胡椒は有名だ。ボブは胡椒ビジネスでも成功する。二番煎じでポナペ州政府が胡椒ビジネスに手を出したとたん、価格設定や品質管理ができず、ボブの会社もポナペ州政府の会社も共に潰れてしまった。
またボブは貝のボタンビジネスも開始。しかし、これもポナペ州政府が約束を守れず失敗。
大きな負債を抱えボブはポナペ州政府を訴えていた。
花咲か爺さんの話を、なぜか思い出してしまう。
Special Report
Closure Of The Village Hotel In Pohnpei: The End Of An Era
By Bruce Lloyd、Marianas Business Journal, April 8, 2013
http://pidp.eastwestcenter.org/pireport/2013/April/04-16-sp1.htm
パラオ観光局の方と意見が一致したのは、商売の基本、嘘をつかない、約束を守る、一生懸命真面目に働く、そう言った事が、島人には、あまり期待できないのである。これは良し悪しというより、文化の違いであろう。
最近訪ねた八重山諸島でも八重山観光フェリーの池間会長が、本土の人は島人に比べよく働く、とおしゃっていたので、やはりそうなのであろう。
額に汗してコツコツ働く、という行為が、尊敬され、美徳である社会は、世界にそれほど多くないように思う。パラオの人が日本時代を懐かしむ話を時々聞くが「勤勉」とか「礼節」といった価値観を懐かしんでいるようである。