やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

ミクロネシア連邦新たな海洋保護区制定

先週、ミクロネシア議会が新たな海洋保護区制定の法案が可決した。

大統領のサインを待つだけである。

領海、12海里までを一切の漁業、自然資源の開発を禁止するという内容。

NINETEENTH CONGRESS OF THE FEDERATED STATES OF MICRONESIA

FIFTH REGULAR SESSION, 2016 C.B. NO. 19-194

http://cfsm.fm/ifile/19th%20Congress/BILLS/CB_19-194.pdf

CODE OF THE FEDERATED STATES OF MICRONESIA, 2014 EDITIONのTitle 24, MARINE RESOURCES, SUBTITLE I, MARINE RESOURCES ACT OF 2002にあらたに加えられるという。

http://fsmlaw.org/fsm/code/code2014/FSMCode2014TabCont.html

この保護区は24海里、即ち接続水域を超える事はない、というがUNCLOSに照らし合わせてどうなのであろうか?

2つ目の疑問として、ミクロネシア連邦の監視能力はパラオより手薄である。4つの州の内監視体制があるのが首都のポナペだけ。他の州、特に離島はどうなるのか?

3つ目の疑問として地元の沿岸漁業はどうなるのか?

この法案が出て来た背景がわかれば、少し理解が進むかもしれない。

最近目立つ、ベトナムの違法漁船、通称”ブルーボート”対策なのかもしれない。これらは沿岸での違法操業を行っている。

パラオの海洋保護区同様、このような海洋保護区を制定しても守るのは正式に登録し漁船で、本当の違法漁船はおかまいなしである。彼等は発信器もつけていないので監視できない。

やはり水産庁の監視艇派遣拡大を早急に検討すべきだ。

そして下記のFFA事務総長が指摘する様に、ベトナム政府の適切な対応を促す努力も。。

Vietnamese fishing boats labelled 'reef robbers'

30 March 2017, RNZ

http://www.radionz.co.nz/news/pacific/327809/vietnamese-fishing-boats-labelled-'reef-robbers'