やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

日本財団がうらやましい ー 水産庁の嘆き

パラオ出張の前に、このブログでも紹介してきた、日本水産庁の取締船パラオ派遣がどうなっているか、水産庁に問い合わせた。

この事業を担当する水産庁参事官神谷崇氏から

日本財団がうらやましいです。」

という返事が来た。水産庁がやる気でも、外務省がノーを出し、頓挫している。

「海洋国家日本を阻む外務省国際法局」

http://blog.canpan.info/yashinomi/archive/1350

日本の一民間団体ができて、日本政府にはできない、パラオの海を守る、という支援。

この水産庁の案件、当方が水産庁パラオ政府を結んだ背景もあり、法務大臣始めパラオの関係者と話た。

パラオの法執行官を乗船させられないのだったら何の意味もない。」

当たり前の話である。外務省は水産庁の試みを、何の意味もない、世界の笑い者に仕上げてくれたのだ。

当方はしっかり、外務省の理不尽な対応について説明しておいた。

「日本の法執行船に、パラオの法執行官を乗船させ、パラオ人による法執行をする事さえ、日本の外務省は拒むのです。今回の例で、なぜ我々民間組織が支援しなければならないか、良くわかりました。」

水産庁を、水産省にと提案したのはGHQである。

日本外交の基盤でもある、海洋外交、漁業外交は(第二次世界大戦EEZのきっかけともなった)現在の日本の行政体制では手も足も出ない状況だ。