お酒の席、レセプションの席の情報は貴重である。
ミクロネシア海上保安事業の起源の一つが、PACOMのキーティング司令官が、お酒の席で中国海軍から太平洋を米中で二分割しようと冗談まじりに提案された事を、米国の公聴会で報告した事にある。
これに、笹川会長が反応し2008年5月6日「太平洋島嶼国との共同体を」を発表した。後半半分は私が意見を求められた内容である。
http://blog.canpan.info/sasakawa/archive/1358
キーティング司令官がお酒の席で聞いた話は、今現実となりつつある。
さて、当方がお酒の席やレセプションで聞いた話は、公聴会で聞いてもらえないので、ここに書いておきたい。
ミクロネシアの海上保安事業、日本がミクロネシアにどのように関与するか、という西太平洋地域の安全保障体制に関係している。
米国務省のグループとのレセプションでの談話。
米「なぜ民間団体が海洋安全保障なの?」
私「その質問はこの事業が立ち上がってからずっと聞かれました。簡単です。日本政府ができないからです。水産庁の取締船、即ち法執行分野さえ日本の外務省が潰しました。」
米「なぜ日本政府はできないの?」
私「それは皆さんからのプレゼントのせいですよ。」
米「私たちのプレゼントって?」
私「Article 9」
米国務省グループがここで article 9って何?と話合う。これを知らない国務省職員がいる。
私「ところで、米国はもうこのミクロネシアに関心を失ったようですから日本に返したどうですか?」
米「本当はそうしたいのよ。連邦議員はそうしたいに違いない。」
米国はミクロネシアを日本に返したがっているのです!もしやしたらそうでは?と思っていたがそうだった。これ、多分本音だと思う。
私「外部から支援が滞れば、パラオは中国からの不健全な投資、カジノ、マネロンが蔓延ります。(既に蔓延っているし、米国政治家が主導しているケースもある)」
米「協定支援金終了後のための基金を積み上げているんだけど計画通りに行ってないの。日本が支援してくれないかしら。」
またもや信託基金。
当方は、この話を持ち出した米国国務省の職員より、この基金の課題を、多分知っている。
基金が計画と通りに積み上がっていないだけの話ではない。基金運用は世界金融の動きと直結する。即ち不安定な資金調達が国家財政の基盤となるのだ。儲かるのは基金運用を担当する米国の金融会社の人々だけ。
パラオのクアルテイ外相が昔当方に語った言葉が忘れられない。
「パラオは、私たちの子供達は,永遠にbeggingしなければならないのか?」
日本ーパラオ連合。パラオの人々が権利として広義の安全保障、公共サービスを受けられる仕組みが必要だと思う。