やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

書籍出版のご案内 Self-determinable Development of Small Islands

琉球大学の事業で2013年に依頼された原稿がまとまって今月6月15日にSpringerから出版されていました。

タイトルは"Self-determinable Development of Small Islands "

私は16章から成る同書の"Self-Determination for the Communication Policy in the Pacific Islands"を執筆させていただきました。 博論の一部ですが、日本のODAで支援されたUSPNet(南太平洋大学の遠隔教育ネット)は、1989年フィジーのカミセセ・マラ閣下から太平洋島嶼国のために衛星を打ち上げて欲しいという要望があった事がきかっけで、私が研究会の実施、事業評価などを経て利害関係者の調整を実施しODAにつなげた事も書かせていただいていおります。

この本の出版に至背景ですが、琉球大学学長に就任されたばかりの大城肇学長が、2013年に海洋関連の事業を検討したいという事で、ご相談に見られました。その後、琉球大学の中にある島嶼研究所(同研究所は第2回島サミットの成果でもあります)の藤田教授から当方に連絡があり、シンポジウム開催のアドバイスを求められました。

本のタイトルの"Self-determinable"は当方が提議した"Self-Determination"が反映されています。DeterminationがDeterminable になった背景は知りませんが、少なくともこのブログで時々議論するレーニンやウィルソンが語り始めたself-determination の歴史的、思想的、そして戦略的背景は議論されてはいないようです。