やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

パシフィックソルーションの問題

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Boat arrivals in Australia since 1976, Stastical appendix updated 23 July 2013

http://www.aph.gov.au/about_parliament/parliamentary_departments/parliamentary_library/pubs/bn/2012-2013/boatarrivals から

 

 

年間数千から数万人の違法移民がオーストラリアに船で上陸するのである。

ジョン・ハワード首相のパシフィック・ソルーションは、その時は唯一のソルーションのように見えたかもしれない。

 

トランプ大統領が、ターンブル首相との電話を切った件である。

 

パプアニューギニアの北部にあるマヌス島とナウルに移民収容所を設置した。あれから10年以上か。

一向に結論がでない収容所では殺人や暴力が発生。

国連も、またオーストラリアの国内でもこれが違法との判決があった(ハズですがここはうろ覚え)。

 

ナウルでは、海外のメディアが五月蝿く取材に来るため、メディアビザを80万円くらいに値上げし、実質取材禁止状態だ。ニュージーランドの外相が、来年太平洋諸島フォーラム総会を主催するナウルに対し、このメディア制限を中止するよう呼びかけた、というニュース。

NZ calls on Nauru to lift media restrictions

http://www.radionz.co.nz/international/pacific-news/334593/nz-calls-on-nauru-to-lift-media-restrictions

 

なぜニュージーランド外相が?

下記のニュースは米国は1250人を受け入れる用意があり、ニュージーランドもまた300人を受けれる提案をオーストラリアにしているそうだ。

NZ resettlement possible for Manus, Nauru refugees

http://www.radionz.co.nz/international/pacific-news/334584/nz-resettlement-possible-for-manus-nauru-refugees

 

豪州王立海軍はこの違法ボート移民対策で、太平洋の海洋安全保障(違法操業取締)どころではない、という話があり、以前少し調べた事がある件だ。トランプ大統領のおかげで広く関心をもっていただいているようなので再度書いておきます。