やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

オーストラリアーdown underの国

<安倍政権と太平洋政策>2014年豪州・パプアニューギニア訪問

これ全部私がアレンジしました! 安倍総理、パプアニューギニア、ウェワク訪問 安倍総理、西オーストラリア訪問 アルバニー船団100周年 アンザックに日本の自衛隊が参加したの戦後これが初めてではないだろうか??

英国に植民される事を選んだフィジー

(このブログを書こうと思ってウェブサーチしていたら見つけたフィジーの戦士。カイコロ。どこかで見たお顔だな〜、と1日思い悩んで気がついたのが・・・) コロナ禍で毎年6月頃、シンガポールで開催しているIISS主催のシャングリラダイアローグも中止。その…

白豪政策とインド太平洋構想

今回来日したチャタムハウスのクレオ・パスカル女史もオーストラリアへの不満を示していた。他方、オーストラリアも一枚岩ではなく、学者、外務省あたりと、パスカル女史の事業に助成している豪州国防省は全く違う認識である、とのことだ。 そういえば、先日…

オーストラリア・モリソン首相の安倍総理讃歌

世界広しといえどもトランプ大統領のパリ協定離脱スピーチを聞いてピーナッツ(端金)の部分が引っかかりそのルーツを調べ上げたのは私だけであろう。 日本広しといえども豪州モリソン首相のスピーチとインタビュー1時間を聞いてモリソン首相の感極まった安…

キリバス台湾断交と中国衛星スパイ基地と売春婦

キリバスは日本に支援をずっと要請してきたのである。日本は何もできなかった。米豪首脳会談に日本も参加すべきだ。中国の海洋権益だけでなく、中国宇宙軍に利するばかりなのだから。 ニュージーランドのマイケル・フィールド記者は、先日英国軍ラグビーチー…

キリバスのEEZと米国の安全保障

キリバスの台湾断交。あまりにも突然でニュースも出てこない。誰もこの動きを抑えていなかったのだ。それほどキリバスは世界から見放されていた、とも言えるかもしれない。 あれだけ、アノテ・トン元大統領が島が沈むと世界に訴えていたにも拘らず、だ。 キ…

Pacific Fusion Centre - 新たな太平洋海洋安全保障枠組み

連戦終結後、米国が太平洋への関心を失って、その存在をあらゆる場面で消していく中で、海洋安全保障も同じで、広大な太平洋の海の安全保障を一人守ってきたのが豪州である。 PPBP Pacific Patrol Boat Program という。EEZ制定と共に立ち上がった豪州の太平…

井上和彦氏の太平洋島嶼国に関する事実誤認

【DHC】2019/9/18(水) 井上和彦×藤井厳喜×居島一平【虎ノ門ニュース】 - YouTube 私は井上さんが太平洋島嶼国のことをメディアを通して広く知らしめていただいていることをディスカレッジするつもりは毛頭ないし、その活動を尊敬し、応援したい、という立場…

商業捕鯨を再開すると南極での活動ができなくなる理由

美味しそう! 昨日読んだ森下、岸本論文の下記の部分が気になり、これこそ今度の国際法学会の主要テーマ「多元化する条約体制による秩序形成と維持」なのではないかと条約を当たってみた。以下の条項だと思うが違うかもしれない。 環境保護に関する南極条約…

「商業捕鯨再開へ向けて」森下、岸本論文

ウェブで偶然見つけた捕鯨関連の論文だ。掲載場所と日時が明確ではないのだが資料の最後にある下記の連載記事を集めたものかもしれない。 森下丈二、みなと新聞連載「商業捕鯨再開に向けて」(2015 年 2 月 19 日から 11 月 12 日、隔週、計 20 回)。 50ペ…

インド太平洋構想-アセアンの展望

2019年タイで開催された会議で「アセアンのインド太平洋構想、展望」が採択された。気になっていたがシンガポールからの飛行機の中で読むことができた。 アセアン諸国がインド太平洋構想に留保があった事は聞いていた。今回の展望はその態度を180度転換する…

ポートモレスビーと東亜の解放

大凡30人のバングラデシュ人を乗せたバヌアツ発の飛行機は4時間も到着が遅れ、乗り継ぎのシンガポール行きの飛行機を逃してしまった。パプアニューギニアの首都ポートレスビーに思いもかけず一泊する事となった。 そこは2002年パプアニューギニアの国父ソ…

ニューカレドニア便り(4) 南太平洋のペンタゴンで語る東亜の解放と自決権

学会会場となったニューカレドニア大学 太平洋政治学学会がニューカレドニアで2019年6月25−27日開催された。テーマは自決権で現在私が取り組んでいる論文の主要テーマだ。具体的には太平洋の海洋ガバナンスを自決権の理論枠組で分析する内容でその限界を…

2649回RTされたTW - 国防と美女

自衛隊のパンチラ募集広告に批判が出ているそうですが、オーストラリア「王立」海軍は生身のモデルさんを起用しています。日豪同じ悩みを抱え、且つ発想が同じというところがすごい。https://t.co/Wf9JHbuLva — Dr. Rieko Hayakawa (@riekohayakawa) March 1…

ネオコロニアリズムと批判されるラッド元首相

www.abc.net.au 豪州のラッド元首相がツバル、キリバス、ナウルは豪州の市民権を得て、その広大なEEZは豪州は管理し、豪州に自由に居住して良い、という刺激的な提案をして物議を醸している。 ツバル首相はネオコロニアリズムだ、と。 この反日のラッド氏で…

太平洋島嶼国のセキュリティ:島嶼国とのギャップ

先月ナウルで開催された太平洋諸島フォーラムでの安全保障の宣言文の内容と、日本・米国の当該地域に対する安全保障の温度差がかなりある事をすでにブログに書いた。 yashinominews.hatenablog.com yashinominews.hatenablog.com yashinominews.hatenablog.c…

自由・平等・民主主義は太平洋にない!ナウルのメディア規制

太平洋島嶼国に自由・平等・民主主義はないのである。 だから中国と相性が良いのだ。袖の下文化(不正・腐敗)も共通だ。 豪州への難民の収容所となったナウルで9月に太平洋諸島フォーラム総会があるのだが、ナウル政府が豪州のABC (Australian Broadcasting…

島サミット:オーストラリアの太平洋支援は現状維持

China not a factor in Australia's Pacific aid - Bishop https://www.radionz.co.nz/international/pacific-news/357036/china-not-a-factor-in-australia-s-pacific-aid-bishop 今度はオーストラリアの対太平島嶼国支援。 コメンテーターと称する学者が豪…

豪州がPPBPを継続する事とした理由は国内造船業者組合対策

豪州がPPBPを継続する事とした理由は、王立海軍が辞めたいと言った同時に笹川平和財団が乗り出して来たことが理由、と以前書いた。 2009年の第40回太平洋諸島フォーラム総会で継続をラッドが明言した。 その後、国防省はPPBPを法執行機関に、という意向が強…

豪州PPBPのその後

このブログを読んでいただいてる多くの安全保障専門家から質問をいただいている。 豪州の太平洋海洋安全保障の件だ。多分豪州の専門家より知る立場になった。豪州の外務省官僚にこの前もブリーフィングし、なんと米国の大使にまでその歴史を講義するまで詳し…

Magic Weapons:ニュージーランドの中国研究

ニュージーランド、カンタベリー大学のAnne-Marie Brady教授による中国研究があらゆる意味で注目されているようだ。 まずは彼女の家や研究室が侵入されたというニュースまである。数日前のニュースだ。 University of Canterbury professor Anne-Marie Brady…

ニュージーランドの海外居住者不動産購入禁止法案

SNSでジャシンダ政権が公約に掲げていた海外居住者不動産購入禁止法案を「発令」した、とあったので調べてみた。The Overseas Investment Amendment Bill という。 だってそんなニュース最近聞いていないし、大きな法令なので騒がれないはずないのだ。 やは…

In Memoriam: Russell Trood

前のブログに取り上げたベルギン博士のインド太平洋パートナーシップを書こうと思って、資料を検索している時に見つけた訃報である。一気に書く気がしなくなって、今日のターンブル首相来日まで滞った理由である。 あのRussell Trood博士が、議員が2017年1月…

ダウンアンダーのインド太平洋

ターンブル首相の来日で思い出した、ベルギン博士の小論。豪州外交白書に対するコメントだ。 インド太平洋が入ったことを歓迎している。 ベルギンは博士が所属するASPIはまたベルギン博士は豪州政府の防衛を中心に太平洋の安全保障を主導する立場だ。 Region…

ターンブル首相来日

ターンブル首相が今日、来日。 「日本にすり寄る豪州 ターンブル首相18日訪日、政権テコ入れ 中国離反、米とは関係悪化」 2018.1.18 http://www.sankei.com/world/news/180118/wor1801180007-n1.html この記事タイトル「日本にすり寄る豪州」豪州が聞いた…

太平島嶼国支援を巡る豪州の中国批判

あれだけ緊密だった豪中関係がこの1年ガラッと変わった。 米国から豪州に圧力が加わっているのではないか?と思う。 いよいよ、豪州のお膝元、太平洋島嶼国への中国の支援について豪州閣僚が批判。 Federal Minister Concetta Fierravanti-Wells accuses Chi…

華為技術を追い出したソロモン諸島ー野放しの日本?

台湾の蔡総統が訪ねたソロモン諸島。首相が不信任案を突きつけられ交代。 理由は中国の通信会社との汚職問題である。 Huawei 華為技術 一説には5億円近い賄賂がばらまかれたという。しかし、その契約の不透明性からアジ銀は支援を中止。安全保障上からオー…

What is Australia up to?

英国、チャタムハウスの知り合いから興味深い記事が送られて来た。 今日読む予定の資料が色々あるのだが先にこちらを。 最近の中国を、そして太平洋島嶼国をめぐるオーストラリアの動きが簡潔にまとめられ、この問題をフォローしていない人には貴重な記事、…

1.5トンのコカインと豪州ビショプ外相の対太平洋島嶼国支援政策

先週末、フィジーの太平諸島フォーラムで外相会議が開催された。 安全保障を中心としたBiketawa Plusの合意がされたようである。 太平諸島フォーラムをひっぱる豪州のビショップ外相のスピーチが下記にある。 Australia in the Pacific Speech, check agains…

豪州の中国スパイとソロモン諸島の海底通信ケーブル

別に豪州が中国にスパイされていることはニュースじゃないし、もうほぼ中国の植民地となっているわけだから、驚くことではない。が、なんとソロモン諸島の海底通信ケーブルと、最近のスパイ活動捜査が繋がっていると書かれていたので、アドレナリンが出てき…