やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

200万円の自由裁量手当

産経の千野さんから女好きと言われた元国交省審議官の羽生さんは、少なくとも日本財団の色惚け老人宮崎正さんのように私といると誤解される、などと馬鹿な事は言わなかった。

羽生さんお元気でしょうか?

会長室でよく2人だけで面談した。吊るし上げに会う事もしばしばだったが、ほとんどが羽生さんからの一方的な報告で、最後に

「どう思う?これ調べといてよ。」

という会話であった。

2008年にミクロネシア海上保安事業立上げを私が成し遂げたときは「感謝してる」と100回位言われただけでなかった。200万円の自由裁量の調査費をつけてくれたのだ。

このブログが充実しているのはこの200万円の成果でもある。

パラオシーシェパードを2011年に追い出したときは

「やっぱり早川さんが財団で一番仕事ができる!」

と褒めてくれた。この時は200万円の自由裁量手当はなかったが。。

そういう羽生さんに私は何度か叱責させていただいた事がある。

一つはパラオの海洋保護区支援だ。海洋問題を知っていれば支援してはいけない案件だ。

海洋専門の組織として、本来ならばレメンゲサウ大統領の振り上げた拳を下ろす場所をアレンジすべきところ、さらに引き上げてしまった。

私「なにやってるんですか!笹川平和財団をピューのような煽動NGOと同じレベルにする気ですか?」

羽生元会長「そんな事言われても理解できないぞ!」(本当は別の表現でしたがここには書きません)

海洋問題の専門家でない羽生さんが知らないのは当たり前で、周囲の誰もアドバイスしないのだ。当時の姉妹財団海洋政策研究所の寺島さんと古川博士になぜ説明しないのか?と問いつめた事もある。海洋政策研究所さえ海洋保護区の事を理解できてないのだ。

「そんな事言われても理解できない!」

羽生さんは素直だった、そしてその言葉は重かった。

海洋問題を「私が」きちんと学ばなければ、せっかく自分が立ち上げたこの事業は間違った方向へ行ってしまう。このブログで必死に海洋保護区の問題を指摘してきた理由である。