やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

中国にノーと言ったニュージーランドの防衛政策

7月6日ニュージーランドのロン・マーク防衛大臣が発表した防衛政策が中国の逆鱗に触れた。

New Zealand’s new strategic defense policy statement calls out China, Russia

China ambassador registers concern over NZ's strategic defence policy statement - NZ Herald

防衛政策はウェッブで公表されている。読んでみた。中国が豪州と並んで33回出てくる。

NZDF - Strategic Defence Policy Statement 2018

China - 33回

Japan-7回

Australia- 33回

United States 20回

 

中国を明確に批判しているのは3章のニュージーランドの安全保障環境の78−83、127,128そして南極の140項で5つ目の基地を建築している事を指摘している。

日本についてはどうか?66項で民主主義と地域安全保障の価値観、そして国際的秩序を重視するアジアの防衛パートナーである、と書かれている。133項では日本の自由で開かれたインド太平洋戦略を評価し日本の防衛力の拡大を期待している。

南太平洋に広大なEEZを管轄するフランスだけでなくニュージーランドまでが中国への警戒を明確にした。ニュージーランド自由連合協定を締結するクック諸島やニウエ、そして友好協定のあるサモアやトンガなど、どこも中国の影響が既に大きい島嶼国と関係が深い。今回のニュージーランドの対中国の姿勢変換とも言える防衛政策は太平洋島嶼国にも大きな影響を与えるであろう。