フロランス・パルリ軍事大臣が2018年6月、シャングリラ対話で発表した、フランスのインド太平洋防衛戦略。参考資料最新版が英語で読める。
たった十数ページの短い資料で、且つ半分が地図なのですぐに読める。
気に留まった点。
1.中国を名指しで、時にSome major powersという表現で秩序を乱す国として指摘。
2.フランスが協力する国にはインド、オーストラリア、米国、日本。そのほかにマレーシア、シンガポール、ニュージーランド、インドネシア、ベトナムをあげている。
3.フランスの役割は国連安全保障常任理事国である事を強調。4頁
4.インド太平洋の軍事能力を数字で明確にしている。6頁
5.インド太平洋の中間地点、シンガポールにInformation Fusion Centreがある。8頁
6.太平洋の4カ国防衛協力ークアドは米仏豪NZ。FRANZは仏豪NZの3カ国防衛協力
7.国名は出していないが南極の資源を狙う中国への警戒感を強調。14頁
8.フランスの経済力は世界6位だが、武器輸出は世界で4番目。その多くがインドと中東。
日仏海洋対話、どのような展開になるのであろう?フランスの植民政策、海外領統治は必ずしも評価できるものではない。それは仏領ポリネシアの高い失業率を見てもわかる。日本の外交政策の基本「人間の安全保障」がフランスのインド太平洋戦略に必要なのではないか?とこの防衛政策を読みながら感じた事である。