やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

古屋圭司議員との出会い

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国会議員の方達には毎日ある勉強会の一つだと思うが、私にとっては一生に一度あるかないかの議連勉強会での講師依頼であった。

このブログや月刊正論の記事を見ていただいた山田宏議員事務所から海洋議連の勉強会での講演を依頼されたのが昨年の3月。何かの冗談か、間違いではないかと思ったが日程や詳細の問い合わせがあって、事実である事がわかった。

当日、同議連会長の古屋圭司議員が私の隣に座れ、

「早川理恵子博士は、笹川平和財団で。。。私は所用で中座しますが。。。」

と紹介いただいた。

それは中座されるよな。。と思いつつ、心臓がドキドキ状態で講演を始めた。

ところがである。古屋議員席を立たないのである。席を立たれるときはきちんと挨拶せねば、と思っていたので気にしながら話していたのである。

古屋議員は最後まで聞いてくださった。講演終了後には質問を多くいただいた。

それだけではない、じっと見つめられて、もう一度この話を島嶼議連でして欲しい、と言われたのだ。その後、衛藤晟一議員もこれは安倍政権の重要課題であると発言があり、なんだか異様な雰囲気になったのだ。大げさに言うと「歴史が動いた瞬間」

まさか本当に島嶼議連でもう一度話しをするとは思っていなかったのだが、一月後にその日は来た。今度は山際大志郎議員事務所が担当である。外務省の当時参事官だった四方敬之氏が呼ばれ、私の前に10分ほど過去の島サミットの報告をされた。

2つ目の講演会の後、島嶼議連がすぐに動いて今年開催された第8回島サミットへの提言をまとめられた。岸田外相、麻生蔵相に提出したのだ。ここに海洋安全保障が盛り込まれた。そして今回の第8回島サミットに繋がったのである。

私は、この島嶼議連の提案をバックアップすべく、あらゆるメディア、そして米豪の議員、政策関係者、島嶼国の閣僚たちにロビー活動を展開した。旧知のフィジーのイノケ外相(当時)、バヌアツのレゲンバヌ外相。さらに旧知の米国共和党議員とも情報交換を維持した。豪州は国防大臣のアドバイザーである古い友人とも連絡を怠らなかった。

あの日、中座されなかった古屋圭司議員に私はどれだけ救われたであろう。あの日の一ヶ月前、私は日本財団笹川陽平会長に呼ばれ「お前の言う事は信用できない」と言われたばかりだったのだ。そう、太平洋島嶼国で繰り広げられている越境犯罪、パラオの闇の奥の話。古屋議員が中座せず聞いてくれた太平洋島嶼国の実情である。