やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

読書メモ『暗黒大陸 中国の真実』

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中国をめぐる反日の情報は中国に派遣された米国人宣教師が発信地である、という話を晩年日米関係の修復に命をかけた新渡戸稲造が書いていた。同じことを米国の外交官が1933年に書いていて日本語の本になっていることをFBFから教えてもらった。

ラルフ・タウンゼント著『暗黒大陸 中国の真実』である。

宣教師に関しては2章が割かれている。新渡戸と同じ分析で、米国のレベルの低い人材が宣教師として中国の送られていた。多くが、米国に自分の未来を見出せず帰るに帰れない米国人で、中国でどんな酷いこと、虐殺され騙されようとも、中国を擁護するしかない、と分析。

クリスチャンになった中国人、例えば宋慶齢も、反キリスト運動をするほど。中国人に宗教心を求めてはいけないとタウンゼントは主張するが、米国、特にカリフォルニアのメディアは宣教師の情報を鵜呑みにして親中、反日の記事を書き立てた。

南京虐殺も、後ろにいたのはロシアの共産主義であることが書かれており、その事を支持する在中国米国人の連名の書類が掲載されている。(下記の写真)

ラルフ・タウンゼントが外交官として現地で得た情報である。第一次資料だ。一体この本はどれだけ無視されているのであろう?それには何か信用できない理由があるのであろうか?中国専門家でない私には全く不思議だ。

さらに日本の正当性、米国の無知、中国の暗黒が書かれているのだが、現在の話ではないか、と思える箇所が多々ある。例えば中国は国際法を守らない。貸した不動産に所有権を主張する、などなど。。。南シナ海、中国人外交官によるタヒチの住居占有と無許可の通信設備設置など現在の話と変わらない。

それから中国人の拷問の仕方、不衛生さ、嘘のつき方。。

阿片の件も、認識が変わった。今まで中国は英国の犠牲者であると思っていたが、タウンゼントはアヘンはどの国にも入ったがこれだけ蔓延したのは中国人のせいである、と書いている。

そして日本の態度。あれだけ欧米諸国と中国に酷い事をされたのに黙っている不思議。これも今と同じではないか!

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