やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

政府機関の方々へ - インテリジェンス講座その1

 このブログを継続するインセンティブは在外日本大使始め外務省、水産庁多くの省庁の方々から太平洋島嶼国の情報はこのサイトでしか得られません、と言っていただいたことが大きい。

 よって政府機関への情報提供も今までしてきた。

 知人からの紹介の場合はそのまま連絡するが、全く知らない人からの連絡は、その組織に本人確認をする。政府機関だけでなくメディア、大学関係も同じだ。スパイや変質者だったらどうするの?常識である。

 

 武士の情けで省庁名はあげないが、先日信じられないような照会が日本政府機関の自称最高のインテリジェンスを教育を受けていると言う人物からあった。やり取りを簡単に記録する。

A「政府機関の者です。太平洋島嶼国の事はこのサイトでしか学べません。教えてください。」

私「どの政府機関かも名乗らず情報提供を要求するのは非常識。インテリジェンスの教育は貴庁でされているのか」

A「最高のインテリジェンス教育を受けています。重要機密にアクセスできる立場です。」

私「組織としての貴殿に情報を提供するのか?個人のあなたに提供するのか?通常本人確認をしていますが。」

 A氏からはその後連絡はない。最後のメールには名刺のコピーが添付されていた。インフォーマントへのコンタクトの仕方、即ち情報収集の常識がないにも拘らず「最高のインテリジェンス教育を受けている」と自ら明かす。もうこの時点で落第だ。

 またやり取りする情報の中で全くパラオのことを理解していないのがわかった。これで最高のインテリジェンスなのか!

 日本政府が情弱であることは重々理解しているので応援したい。しかしこんな情報収集方法ではダメだ。

 政府機関の方にアドバイスします。民間人への情報収集の基本として

1. 名前、身分は明確に述べる。

2. 情報収集の目的、情報の扱われ方、インフォーマント(私)の扱い、即ち情報源の安全について明確に説明する。

3. もし個人的に情報を収集したのであればその旨を述べること。これは自分の経験からわかるのだ。所属する組織が馬鹿すぎるとまともな情報収集、情報操作もできない。私にも個人的立場で動かないと国益が守れない状況があった。例えば2014年、安倍総理のパプアニューギニア入りの事前調整、具体的にはウェワク訪問をアレンジしたのは自分だが、自分の資金とネットワークで実行した。