先週、サモアで開催されていた太平洋諸島フォーラムにパラオ大統領が北朝鮮のミサイル対応のため欠席し、日本で米国関係者と協議、とのニュースをブログにあげたところ多くの問い合わせとアクセスがあった。
北朝鮮とパラオ、そして太平洋島嶼国。一見関わりがない様に見えるが、現在パラオにレーダー設置を米軍が検討しているし、最近になって米国議会が10年近くも保留して来たパラオへの支援金を、国防省の予算を削って拠出することになったのだ。
パラオはじめミクロネシア諸国は戦略的地域として東アジアの安全保障に無関係ではいられない。
マーシャル諸島のクワジェリンにはレーガンミサイル基地がもう20年以上前からある。
ところで、今回の太平洋諸島フォーラムではこの北朝鮮の問題が中心を占めたという報道があった。
報道と事実は必ずしも一致しないので、今後もフォローしたいが、下記のニュージーランド外相の発言は事実だ。
New Zealand to intercept North Korean vessels in Pacific waters
08/09/2017
North Korean threat causes security scramble in Pacific Islands
07/09/2017
Pristine Paradise ー 手付かずの楽園、パラオの観光キャッチフレーズだが、麻薬犯罪などあらゆる越境犯罪の手付かずの場所になっていることがニュージーランド、そして米国から指摘された。(やっと)
そう、犯罪に、違法操業に関与しているのは主権国家である太平洋島嶼国のなのだ。多分、確信犯である。
太平洋島嶼国の十八番である「主権ビジネス」即ちパスポート販売やタックスヘイブン、そして便宜置籍船。これが北朝鮮を支援しているのである。
パラオの便宜置籍船が北朝鮮の貿易に使用されていることは以前書いた。
ニュージーランド外相によると、貿易船だけでなく北朝鮮の漁船が、太平洋島嶼国の旗で操業しているらしいのだ。便宜置籍船を提供している太平洋島嶼国政府は「もちろん」知らない(という事になっている)
なぜか?
便宜置籍船ビジネスは、米国のテキサスなど島嶼国の外で行われているからだ。
ニュージーランド外相はインテリジェンスを活用し、未確認の登録を洗い出すと同時に、太平洋島嶼国の監視の緩い空港監視能力も支援するとのことである。
正直ニュージーランド政府のこの様な対応は嬉しい驚きである。今までも知っていたはずである。しかし動かなかった案件なのだ。
日本はニュージーランドのこの動きを支援すべきではないか?北朝鮮の動き、広くは海洋安全保障の情報を把握する事にもつながる。
日本メディアも水産庁叩きをする前に漁獲量のデータすらないであろう、北朝鮮の漁業を取材する方がよっぽど日本のため、世界のためになるのではないだろうか?