やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

読書メモー『イスラム教の理論』飯山陽著

飯山陽博士の『イスラム教の理論』を読み終えた。
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イスラム教の右も左もわからない当方にとって大変読みやすく助かった。
イスラム教の右も左もわからない私がなぜイスラムを知りたくなったのか?4つ理由がある。
一つは長年付き合ってる太平洋島嶼国とほぼ無関係なのだが、フィリピン南部にイスラム戦闘員が入り、そのすぐ隣のパラオなどイスラムの影が見え出したのだ。
2つ目。アラブのオイルマネーもその逃げ場所を探してタックスヘイブンのヘブンである太平洋島嶼国に積極的にやってくる。パラオのアンガウル島での太陽光投資話などはそうであろう。
3つ目。安倍政権のおかげで太平洋島嶼国からインド太平洋へ関心が広がって、中東にも少し関心を持ち出したこと。
最後に、自分が住むニュージランドは積極的にイスラムの難民を受け入れているが、普段散歩をするボタニカルガーデンでよく見かけたり、車を追突されたりするようになった。でちょっと怖い、という印象を持っている。そして何よりも先般の襲撃事件だ。
飯山陽博士の『イスラム教の理論』。当然同志社大学の図書館にあると思ったらなかった。それで購入を申請したところ断られた。その代わり、神学部にあるのでそれを利用せよとのメッセージがあった。なんとなくこの理由がわかったのが、この本の中で同志社大学の先生が飯山博士とは違ったイスラムの解釈をしているから、ではないだろうか?イスラムを巡る日本の「学術研究」の闇も深いようだ。
肝心の本の中身。ツイッターでいつも世界のイスラムの動きを知らせてくれる飯山博士の集大成+一歩踏み込んだイスラム教の理論と言った感じでサクサク読めた。特に西洋的価値観が中心の国際法との絡みに興味を持った。これをきっかけにイスラム関連の本をいくつか読んでみたい。