いよいよシュタイン!
シュタインに関心を持った背景と資料収集方法
私がローレンツ・フォン・シュタインの名前を知ったのは伊藤博文に憲法、国体について教えたたけでなく、マルクスの共産主義宣言に出てくる「妖怪」という表現がシュタインのコピーであるとどこかで読んで、たまたま同志社大学の図書館で見つけたのがきっかけであった。
手に取ったのは1842年に出版された『平等原理と社会主義』。(ローレンツ シュタイン(著), 石川 三義(翻訳), 柴田 隆行(翻訳), 石塚 正英(翻訳) 法政大学出版局 、1990)。150年後に初めて日本語に訳されたのだ。マルクスの和訳本は何冊も出ているのであろうに。
今回参考にした資料は同志社大学の図書館の「シュタイン」で検索して出てきた書籍、ウェブ検索で出て論文を、暗闇の中で手探りするように、同時に研究者としての少しの勘を頼りにピックアップした。5月の10連休で読めたのはほんのわずかであるが、霧の向こうにいたシュタインの輪郭が少し見えてきたような気もするし、普段日本国憲法や共産主義を語る人々がほとんどその存在を知らないことを改めて知った。何よりもシュタインが最初に書簡をやり取りしたのが福澤諭吉であったというのは驚きであった。
アクセスした資料リスト
<同志社の図書館に収蔵されている書籍>
平等原理と社会主義: 今日のフランスにおける社会主義と共産主義/ ローレンツ・シュタイン[著] ; 石川三義, 石塚正英, 柴田隆行訳
東京: 法政大学出版局, 1990.8
社會の概念と運動法則/ ローレンツ・フォン・シュタイン著; 猪木正道譯
東京: みすず書房, 1949.3
社会の概念と運動法則/ ローレンツ・シュタイン著; 森田勉訳
京都: ミネルヴァ書房, 1991.12
ローレンツ・シュタイン研究: 憲法-憲政論・国家-社会学説・法哲学/ 森田勉著
京都: ミネルヴァ書房, 2001.3
シュタインの社会と国家: ローレンツ・フォン・シュタインの思想形成過程/ 柴田隆行著
東京: 御茶の水書房, 2006.8
シュタインの自治理論: 後期ローレンツ・フォン・シュタインの社会と国家/ 柴田隆行著
東京: 御茶の水書房, 2014.9
シュタイン国家学ノート/ ローレンツ・フォン・シュタイン講述; 陸奥宗光筆記; 瀧井一博編
東京: 信山社出版, 2005.3
ドイツ国家学と明治国制: シュタイン国家学の軌跡/ 瀧井一博著
京都: ミネルヴァ書房, 1999.10
巻上,巻中,巻下. - 復刻版. - 東京: 信山社出版, 2007.5
明治立憲君主制とシュタイン講義: 天皇、政府、議会をめぐる論議/ 堀口修編著
日の出町(東京都) : 慈学社出版. - 東京: 大学図書(発売) , 2007.10
東京 : 有斐閣, 1937.11
改版. - 東京: 偕行社, 1933.12
外人の觀たる我が國體: 墺國スタイン博士の國法學/ 偕行社編纂部編
再版. - 東京: 偕行社編纂部, 1934.3
<ウェブ検索で見つけた資料>
Diana Siclovan、Lorenz Stein and German Socialism 1835-1872、King’s College September 2014、
瀧井一博、「日本におけるシュタイン問題」へのアプローチ、人文學報= The Zinbun Gakuhō : Journal of Humanities (1996), 77: 27-62
大井正、へーゲル学派とローレンツ・シュタイン、
柴田隆行、「前期シュタインの社会思想研究(1)ギゾー」東洋大学社会学部紀要2002-02 5-23頁
(2)アリストテレス、(3)ルソー、(4)アダム・スミス