やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

ソロモン諸島台湾断交後5日目 9月20日

 

台湾断交をしたソロモン諸島。Solomon Starという地元紙からいくつかピックアップします。

 

Govt hails US commitment for help - Solomon Star News

20 September 2019

今回の断交で機嫌を損ねた米国に対し、ソロモン諸島政府は、両国は第二次世界大戦で共に戦った歴史を共有し(対日?!)、マライタへの米国の支援がストップしなことを望む。そして今回の決定は手続きに沿った、透明で、ウィーン条約にも叶っている、と。正式な国交変更と国連総会参加について本日午後政府から通達。

 

Farmers affected by Taiwan’s departure - Solomon Star News  

20 September 2019

東ホニアラとマライタで台湾からの農業支援を受けていた人々の不満、不安。(台湾はマライタへの支援に力を入れていたのか?)

 

Wanealafa questions PM’s absence - Solomon Star News

20 September 2019

一般市民の声として、首相が国連総会に出ないことへの説明責任を追求。台湾断交を国民は望んでいない。少数の議員の決定である。等々。

 

Youths seek dialog with WPG - Solomon Star News

20 September 2019

中国との木材貿易で関係の深いソロモン諸島西部の青年達が、今回の決定が西部の市民の声を聞いていないことを主張。

ここまで読むとSolomon Startは完全に米国寄りだ。米国政府メディアは抑えなかったのか?と疑問に思っていたがさすがに抑えている。巻き返しはあるのか?

 

Gina’s statement rebuffed - Solomon Star News

20 September 2019

東部のジーナ州知事の判断は地域を代表するものではないし、Facebookの一部の支持しか得ていない。

 ICTで博論を書いた当方にはこの点が興味深い。Facebookが利用された、というよりFacebookの世論がどのように利用されているかきちんと現地の人々は分析しているのだ。

”This paper also understands that the premier’s statement was supported by only a few members in various Facebook groups and not the majority.”
最後の一本

Heavy police presence continues - Solomon Star News

20 September 2019

台湾断交に関連し国内の政情不安を恐れ、警官(豪州の連邦警察)の配備が強化されている。

ソロモン諸島、過去20年、常に政情不安で暴動が何度か発生している。以前も書いたが、100の民族と100の島があり、離島開発は進んでいない。都市への青年層の流入が暴動の原因となっている。今回の政府の決定も引火要素とならない、とは言い切れない。