通称「樋口レポート」。正式名、防衛問題懇談会「日本の安全保障と防衛力のあり方‐21世紀へ向けての展望‐」をじっくりメモを取りながら読み返しています。
第2章 日本の安全保障政策と防衛力についての基本的考え方は下記の4点が議論されている。1章に続き渡辺先生のお考えが反映している箇所だ。
1.能動的・建設的な安全保障政策
2.多角的安全保障協力
3.日米安全保障協力関係の機能充実
4.信頼性の高い効率的な防衛力の維持および運用
全文はここで読める。樋口レポートを知らないという安全保障研究者に何人も出会うのでこのメモシリーズを恥を忍んで書いています。
防衛問題懇談会「日本の安全保障と防衛力のあり方‐21世紀へ向けての展望‐」(樋口レポート) - データベース「世界と日本」
1節では再度冷戦終結後の世界秩序の不透明さを指摘した上で、日本がとってきた「受動的な安全保障上の役割から脱して、今後は、能動的な秩序形成者として行動すべきである。」と主張。それは「国際紛争解決のための手段として武力行使を禁止するのが国連憲章の意図するところである。・・・何よりも、現在および将来の日本国民に対する責任でもある。」と理由を説明する。
そのためには「外交、経済、防衛などすべての政策手段・・整合性のある総合的な安全保障政策の構築が必要」と主張。
具体的に、第一多角的安全保障協力の促進、第二は日米安全保障関係の機能充実、第三は情報能力、信頼性の高い効率的な防衛力の保持、をあげている。秋山著「日米の戦略対話が始まった」では、日米同盟を2番目に持ってきたことが、米国を刺激した事が書かれている。
その、一番重点を置き、米国に警戒までされた「多角的安全保障協力」はこの章の中でも一番文章量を割いており、じっくり読み込みたいので次のブログで取り上げる。