やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

身銭を切る公共vs公金ちゅーちゅーの公共

私は昨年、与那国でのやしの実大学に60万円、ソロモン諸島のスイダニ氏、タリフィル氏の日本招聘に70万円、自分のポケットから拠出した。私は大学生の頃からNGO活動、国際青年交流機構という内閣府系の組織の幹部をしており、無休で手弁当で運営に関与していたので、それがフツーの感覚である。しかし年間100万円を超える公共事業への支出はさすがに痛い!

 

今、コラボやフローレンスの公金の扱いが話題になっている。身銭を切って公共事業に貢献するのは別に珍しいことではないはず。逆に公金を事業だけでなく、自分の収入、生活の糧にすることの方がおかしい、と普通の人は考えているようだ。それはフツーの感覚だと思う。

 

私は、笹川太平洋島嶼国基金を一人で30年近く運営して来たので年間の半分、三分の一は海外出張をする生活だった。財団をやめた後も相変わらずインド太平洋を飛行機で移動しているので、ジャーナリストの福島香織さんから

「早川さんは富豪の娘か奥さんなんですか?」

と聞かれた。

「普通に30年サラリーマンしていれば家族4人を養って、家の一軒も買う収入があります。それに私は専門家なので世界中から招待があります。」

プライバシー情報まで福島さんに提供して納得していただいたようだ。

私の新聞社の友人たちが経費混みの驚くような給料をもらっていたことを知っているので、なぜそのような疑問を福島さんが持ったのか疑問だ。無駄遣いしていなければ、2−30年勤めれば、それなりの貯金はしているはず。

 

さらに驚く発言が福島さんからあった。

「早川さんは私のお金を狙っているのね。」

とここまで来ると、福島さん大丈夫?と思ってしまった。

「そんな事思ったことも、頼んだ事もありませんよ。」

良質の記事を書いて欲しいという思いはある。だからこそメラネシア研究会にお誘いした。そして彼女はスイダニ氏日本訪問を巡って素晴らしい記事を書いた。日本でのメディアカバレッジも彼女の功績である。私の狙いはこれです!福島さんのお金ではありません!

あのソロモン諸島の複雑怪奇な状況をよく理解してまとめたと思う。福島さんの許可を得て英語にしてある。

一私人が公共に関わること、世界を動かすことは歴史を知れば当たり前のことである。後藤新平は家を担保に金を借りてまで読売新聞設立を支援し、他様々な公共に投資して来た。私はそこまではできていない、いや避けたいと思う。みなさんご存知の通り後藤の家族は相当苦労したようだ。

 

追記:思い出した。福島さんから、パラオのニコレスク氏へ20万円募金を私がクラファンで実施したところ「早川さん中抜きしたの?」と聞かれ、これも怒りを超えて「福島さん、大丈夫?」のレベルだった。そもそも精算はブログで公表しているし、20万円の募金で中抜きの意味もわからない。私の無償の作業時間は100万円を超える。

palaujudokids.hatenadiary.jp