やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

『日本の国際法学を築いた人々』一又正雄著読書メモ(4)

先に3節を読んでブログに書いてしまったが、2節に戻る。

「黎明期の時代的背景と先覚者」

日本が国際法を学んでいった背景は、開国によってそれまでは全く経験のない外交問題に取り組む必要があったからである。その最たる条約改正で、国際法を学んだ多くの研究者が外務省に集まり実務作業に取り組んだ。そのため「国際法学」の開始が遅れた、とある。

13のケースが紹介されている。

1)箱館戦争と局外中立、明治維新政府の承認

2)ハワイ行き日本労働者問題

これは酷い。米国人でハワイ国領事ウェントリートが300人の日本人を奴隷売買として密かにハワイに送ったのである。確か「元年者」と呼ばれる移民者ではないか。最初の日本人移民はこのような奴隷貿易紛いが多かったのだ。

3)普仏戦争の際における局外中立

4)蕃社事件

5)マリア・ルーズ号事件

6)朝鮮問題

7)清仏事件の際における局外中立

8)条約改正問題

9)ラヴェンナ号事件

10)日清戦争

11)日露戦争

12)日韓関係

13)中国革命と内乱

 

二 黎明期の先覚者

鳩山和夫、穂積陳重の2名を挙げている。前者は山田三郎を、後者は安達峰一郎、立作太郎を見出し、育てた。

 

三 東京大学における国際法教育

まとめようがなく・・・ 明治21年の試験問題9つが掲載されている。

 

四 霞ヶ関の先駆者たちおよびデニソン

外交実務家として国際法学に貢献した人物は、小村寿太郎、原敬、安達峰一郎

そしれ34年間、米国領事代理、在留外国人弁護士、そして外務省万国公法副顧問として活躍。1846年生まれの米国人。