1881年 - 1973年。法学者は長生き?
シュミットは少しだけ読んだ。ケルゼンはまだでどこから手をつけるべきか、読まなくてもいいか、迷っていた。
『国際法原理論』Principles International Law は2016年に長谷川正国教授が5年をかけて翻訳された本である。1952年にケルゼンが書いている。
長谷川先生の訳者あとがきに惹かれた。
長谷川先生は学生時代、千葉の南柏で法哲学を学ぶ弟さんと3年間共に暮らして毎晩ケルゼンを議論し、ある時はケルゼンを巡ってつかみ合いの喧嘩になるくらいだったのだそうだ。
この後書きにはケルゼンの人柄が書かれている。どれだけ人間性豊かな人であったかが。
学問をする人間も道徳的に性格に左右される、それは
・真実を愛すること
・自己を認識すること
・寛容であること
・意志力
・何人にも不正をなさぬこと
・自己も顕示欲を可能な限り抑制すること
これらのことが表面的知識より重要である、ということ。そしてこれらの人間性が学問研究にも影響を及ぼす、とケルゼンは主張していたのだ。
ケルゼン ー ウィキ情報だが1920年にオーストリア共和国憲法を起草し、1930年代ナチスドイツに追われて米国へ。1945年には国際法に関心の重点が移ったようだ。
よって『国際法原理論』はアメリカで書かれた本で、ケルゼンの序文には法学生のみならず、社会科学、政治学に関心を持つ全ての人に一定の法概念を第一部で取り上げた、とある。実は1ページ目ですでに行き詰まっている。難しい。自分用のメモとして残しておきたい。