不都合な真実ー警備艇が漁船に?
「警備艇をあげても、魚釣りに使われるらしいな~。」
私が立上げたミクロネシア海上保安案件では、沿岸警備艇を各国に供与すべく、そのスペックの調整が進んでいるが、関係者からふとこんなコメントがでた。
どこの国とは言わないが、豪州が供与したPacific Patrol Boatを視察に行った時、船の上でマグロの解体作業をしていた。当方、海上警備が何かもわかっていない時だったので、こんなもんか、と微笑ましく見ていた。
その後、日本の海上保安庁の方と接している中で、勤務中に居眠りしたり、ましてや警備艇で釣りをしたり、解体したりなんて、言語道断、絶対あってはいけない事であることを知る。
上げたものは相手のものである。使用目的が違うじゃないか、と文句は言えても、365日24時間見張っているわけにはいかない。
やっぱり「海猿」上映会をやって、海上警備ってなんなのか広く国民に認知してもらう必要があるのではないだろうか?
ところで、釣り以上に不都合な真実がある。オーストラリア政府の報告書にもあり、関係者からもよく聞く話である。
海上保安官が違法操業の漁師から賄賂をもらい、違法操業を見逃しているらしいのだ。確かに、違法操業を取り締まるよりも、給料1、2ヶ月分のキャッシュをもらった方が、余計な仕事もなくなり、都合がよい。それに例えお縄にしても、適当な勾留場所もなく、処罰手続体制も万全でない。
マネーロンダリング、パスポート販売、と国家が国際犯罪に手を貸している国々である。忘れてはならないのはこれらの犯罪で迷惑を被るのは、回り回って我々である、ということだ。
島のパスポートを手にした怪しいアジア人が行く先はどこか?移民規制が緩い米国、豪州等。
台湾の陳総統が蓄財に成功した背景には島嶼国に作らせた即席銀行でマネーロンダリングをしたからである。
フィジーに南半球最大のドラッグ工場があり、摘発されたのは数年前だった。
広大な無法地帯、無法海域に挑むには、日米豪の協力しかあり得ない。