やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

第2回フランスー太平洋首脳会議

(2006年に書いたものですが、記録としてアップします。)

第2回フランスー太平洋首脳会議

(第1回は2003年仏領ポリネシアタヒチにて開催)

場所:フランス パリ

日時2006年6月26日

議長:シラク大統領

参加国:太平洋フォーラムメンバー16カ国(豪NZを含む)太平洋の仏領3地域(ニューカレドニア仏領ポリネシア、ワリスフチュナ)

内容:

 太平洋におけるフランスの核実験が終了(1996)してから約10年。フランス政府が核実験反対活動を進めるグリーンピースの「虹の戦士号」を1985年、オークランド港にて爆破(カメラマン1人が死亡)してから20年の今年。「核」の問題を巡り、フランス政府は今まで太平洋島嶼国に関して積極的な協力関係ではなかったオーストラリア、ニュージーランドと改めて協力関係を結ぶことを表明した。

 既にここ数年フランスはキャンベラとウェリントンと協力関係を構築するための努力を重ねて来た。

 1991年に締結された3カ国間協力の枠組みFRANZ (France-Australia-New Zealand)が復活強化されることが期待される。

 今回のサミットでフランス政府が、仏領ポリネシアニューカレドニアPIFの準会員に、ワリスフツナをオブザーバーに推薦したことも、同国の太平洋のアングロフォングループへの歩み寄りを証明している。

 PIF議長として参加したソマレ首相は「フランス政府の太平洋島嶼国に対する対応は過去10年に比べ全く違ったものである。フランスは常に太平洋に関心を持って来たが、今回の会議で太平洋島嶼地域を助けよう、という同国のコミットメントが確認できた。」と語った。

支援項目:

・ 緊急災害支援

・ 自然災害警報システム

・ 公衆衛生

・ 違法漁業の監視

・ Pacific Plan(持続可能な経済開発、環境と多様性の保護、政治的安定)を支持

地球温暖化、海面上昇問題への対策 (京都プロトコールの推進)

情報格差への対応

 シラク大統領は太平洋地域の唯一のEUメンバー国であるフランスがヨーロッパの太平洋支援の推進役になることも太平洋島嶼国の首脳に伝えた。

以上、Tahiti presse, Oceania Flashからまとめました。早川