オバマ政権の対太平洋政策。失われた8年。現場の経験を中心に書いておきたい。うまくまとめられないが。。
結論だけ先に。
<ハワイ出身のオバマに期待>
未だに明確に覚えている。ハワイ出身のオバマ大統領に太平洋島嶼国の人々、関係者は大きな期待を抱いた。2009年、まさに財団のミクロネシア海上保安事業が、3カ国の大統領の要請を受け具体化した年である。
ハワイ出身ということは、ハワイにいるミクロネシアの人々、ポリネシアの人々の実態を知っているはずだからだ。旧知の米国務省友人が目を輝かせて、これでやっとまともな事業ができるようになる、と語っていたのをまだ覚えている。
太平洋から米国の関心が薄れたのは、冷戦終結後。もう20年近くも太平洋から米国の影は薄くなるばかりだったのだ。
<ヒラリーとキャンベルのアイランドホッピング>
大きな動きがあった。
ヒラリー国務長官とカートキャンベル国務次官補がアイランドホッピングを開始したのだ。同時にパプアニューギニアに米国大使館が再び開設された。
フィジーの米国大使館も強化された。
キャンベル国務次官補のアイランドホッピングはこのブログでも追って行った。2011年のことだ。
改めて読むと、米国は中国対策を、太平洋の海洋安全保障を真剣に検討していたのだ。しかし、動きは一気に鈍くなった。確かヒラリーが退いた2012年、ジョン・ケリー長官になった途端に、だった記憶がある。
少なくとも、ヒラリーとキャンベルは太平洋に関心を示していたのだ。中国の脅威も認識していた。
<ルブチェンコ博士の海洋政策>
オバマ政権になって大きく動いたのが、NOAAの人事と海洋政策だ。
ジェーン・ルブチェンコ博士が異例の長官人事。オバマ大統領が指名した、初の学者で女性のNOAA長官だった。そしてホワイトハウス直轄の海洋政策策定の動き。
海洋政策も太平洋だけ見ていると、現在トランプ政権下で見直しが進められているケリー長官、デカプリオ、ピューが進めたメガ海洋保護区しかなかったのではないか?
これもパブコメに意見を提出したので若干フォローしていた。
この4、5月に声をかけていただいた、海洋議連、島嶼議連では、来年の島サミットに米国も呼ぶよう提案させていただいた。実は前々回の島サミットに米国が参加している。これは私が外務省に提案した結果である。
米、そして今はPIFメンバー国となった仏領ポリネシア、ニューカレドニア、すなわちフランスを除いた島サミットはありえない。
さらに言えば、太平洋外交をEUに任せていた英国が戻ってくる。
海洋安全保障が重要議案になるのであれば、旧来の豪NZに加え、英仏米の参加は必須である。