やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

手話は公用語ーその5 (カリキュラム)

手話は公用語ーその5 (カリキュラム)

 100ページを越える手話教育のカリキュラムを半分程読み進んだ。

 来週から始まる第4学期で是非学校の先生にインタビューしてみたい、と考えている。

 ニュージーランド初等教育の目標のリストが大変気に入った。

- Well-being

- Belonging

- Contribution

- Communication

- Exploration

  

 "Contribution"では「教育の機会は平等であり。夫々の児童の貢献は価値あるものである。」という記述がググッときたのでアンダーライン。

 "Communication"の項では「児童の有するまた他者が有する言語やシンボルを促進し守ること」とある。夫々が奥深いテーマだ。各テーマ毎に博士論文が書けそうな内容である。

 さて、肝心の学校教育における手話の目的は下記の6項目が上げられている。

1.NZSLとDeaf文化をなるべく若く実践可能な時期から学ぶ事を促進し励ます事。

2.多様な文脈の中でNZSLを使うこと、促進する事。

3.全ての学習者にNZSLを学ぶ機会を作る事。

4.コミュニティの人達と協力する事でDeafコミュニティの必要性やイニシアチブに応える事。

5.ニュージーランドのDeafコミュニティとの連携を強化する事。

6.NZLSが第一言語の子供達が国のカリキュラムの枠組みの中で彼らの言語を発展させ学ぶ機会を得られる様にする事。 

 相変わらず言語とは何か、教育とは、社会とは、文化の違いとは何かと言った哲学的な記述が続いている。実はもっと具体的な、即ち「手話で数字の1から100まで表現できる事」とかを想像していたので驚いている。

 逆に言えば具体的な指導内容はなかり各学校に、もしくは教師の裁量と器量にかかっているということではないだろうか。

 100ページあるカリキュラム。後半分が楽しみだ。