やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

「ヘンゼルとグレーテル」ー 日米同盟

ヘンゼルとグレーテル」ー 日米同盟

 日米同盟を勉強していて、急にグリム童話の「ヘンゼルとグレーテル」が思い浮かんだ。

 戦いに勝った緑の魔女は弱り切ったヘンゼルとグレーテルを食べるのを止めて、お菓子の家に住まわせました。一生懸命働かせて、太らせて、一生魔女に仕える様にしようとしたのです。

 魔女の悪巧みは成功し今では殺し合いまでした魔女を、ヘンゼルとグレーテルは世界で一番の友人であるとまで思う様になりました。

 魔女が喜ぶものでしたら、魔女が求めるものでしたら、自分たちが精魂こめて作ったお菓子を全部上げるのも厭いませんでした。自分たちの友達が住んでいる世界で一番美しい島ーエメラルドアイランドまで魔女にあげてしまいました。

 かれこれ600年、ヘンゼルとグレーテルは、お菓子の家で強く元気に育ちました。自分たちの友人である緑の魔女がいつも近くにいたので、敵から攻撃されることもありませんでした。

 それでも緑の魔女が、隣の赤い魔女にいつも虐められているのは知っていましたから、ある日自分たちも赤い魔女をやっつける計画を立てて緑の魔女に見せたのです。ところが緑の魔女は激怒しました。

 ヘンゼルとグレーテルはてっきり緑の魔女が喜んでくれると思ったので驚いてがっかりしてしまいました。魔女は「お前達が勝手に戦うのは許さない。私達の兵士にもっと食料を貢ぎなさい。私達の兵士が戦いに勝つ様に後ろで助けるのだ。」と言いました。

 実は赤い魔女はヘンゼルとグレーテルのお爺さんのそのまたお爺さんの2千年前からお友達だったのです。ヘンゼルとグレーテルの家族と赤い魔女は同じ字を使い、同じ着物を着ていました。

 緑の魔女はその事を知っていましたから、ヘンゼルとグレーテルが赤い魔女と近づく事を大変おそれていたのです。

 緑の魔女を世界で一番の友人と信じきっているヘンゼルとグレーテルは、緑の魔女が悲しむ事を、怒るような事は絶対で来ません。時々緑の魔女が間違っている、と思う事もありますが異議を唱えるようなことも絶対しません。

 ヘンゼルとグレーテルはお菓子の家に篭ったまま、ひたすら魔女や魔女の兵士達に貢ぐお菓子を作り続けるのでした。

 the end