やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

パラオ新政権の改革

この1月に再度大統領に返り咲いたパラオのレメンゲサウ大統領。

昨年12月にパラオを訪問した時は、既にさまざまな改革が協議され、そのために各省庁とキーパーソンは連日徹夜の資料作りと会議で、加えて台風が重なり、まさしく非常事態であった。

パラオ日本大使館が出しているこの1月のパラオニュースにその改革の片鱗が掲載されていたので下記にコピペする。 

http://www.palau.emb-japan.go.jp/politics_economy/jyousei/H2501_j.htm

このニュースの中で我々に関係があるのが法務省の人事。ヤノ司法省治安局長とオルゲリール副局長を30日間休職。大臣に次ぐポストなので日本でいえば事務次官の更迭だ。

大改革の後の返り血も気をつけなければならない。

1月に開催された大統領就任式に日本から鈴木外務副大臣が参加。大統領との会談では遺骨収集を進める事が合意されたとある。不発弾収集も同時に進むのではないか。

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パラオ情勢(2013年1月)

2013年1月31日

※この月報は、パラオ国内の新聞やテレビ報道をもとに、在パラオ日本国大使館が作成しています。

◆政治

パラオ内政

大統領就任式

17日、首都マルキョクの議会前広場において、トミー・レメンゲサウ氏が第9代大統領に、アントニオ・ベル氏が第8代副大統領に就任する宣誓式が行われた。同大統領は、2001年から2008年にかけて第7代大統領を務めており、今回、2回目の大統領就任となる。会場には最高裁判所長官や伝統的酋長、同日朝に就任したばかりの上下両院議員の他、我が国鈴木外務副大臣、米国大使、在京スウェーデン大使、台湾外交部長に加え、パラオ国民百数十人が集まり、国歌斉唱や伝統的祈りの詠唱、斧・憲法・国旗の引き渡しの儀式、レメンゲサウ大統領の就任演説などが行われた。

司法長官の任命

23日、新しい司法長官として、ルース・ロー司法次官補(米国人)が任命された。ロー司法長官は就任にあたり、近年深刻化している薬物使用問題に取り組む決意を表明した。

新閣僚の指名

23日、レメンゲサウ大統領により、一部閣僚が指名された。今回指名された閣僚は、セシリール・エルデベエル財務大臣、ウミー・センゲバウ天然資源・環境・観光大臣、グレッグ・ニルマン保健大臣、アンドリュー・タベルアル教育大臣で、これらの人事は今後、上院の3分の2以上の承認を得る必要がある。なお、副大統領は閣僚ポストを兼任することとなっており、上院の承認は必要ない為、ベル副大統領は既に司法大臣に就任している。国務大臣、公共基盤・産業・商業大臣、社会・文化大臣は未だに指名されていない。

水不足問題

1月下旬より、マラカル地区、マダライ地区などコロール州の一部で、水圧の低下や一時断水などが報告されている。公共基盤・産業・商業省公共事業局は、マラカルにある発電機が冷却用に大量の水を消費するためと説明しているが、パラオ電力公社は、これは事実に反していると主張している。レメンゲサウ大統領はレングルバイ公共事業局長を30日間休職させ、原因の究明を進めている。

治安局長、副局長の休職

ベル司法大臣は、23日、ヤノ司法省治安局長とオルゲリール副局長を30日間休職させ、ロー司法長官を治安局長代理に任命して、治安局(警察)の規律改善のため評価を行うことを発表した。

パラオ外交

鈴木外務副大臣パラオ訪問

鈴木外務副大臣は、大統領就任式出席のため16日から17日にかけて当地を訪問した。副大臣は就任式に出席した後、レメンゲサウ大統領との二国間会談に臨んだ他、同大統領が日本代表団のみ私邸に招待した非公式昼食会や、各国代表団も招待された夕食会に出席した。また、昨年12月の台風24号で大きな被害を受けたガラルド州の被災地や、我が国ODAの供与先であるコロール州リサイクルセンターやパラオ国際サンゴ礁センターを視察した。

林台湾外交部長のパラオ訪問

台湾の林外交部長はパラオを訪問し、17日の大統領就任式に出席した他、18日には台湾政府の支援でマラカル地区に建設された水産センターの開所式に出席した。