やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

トニー、ピンチ?

”シンゾー”、”トニー”と呼び合う2人の首相の姿は、日豪関係を、安全保障の面でさらに近づける結果となった。

しかし、ここに来て、トニーがピンチに陥っているようだ。

<再び辞任動議か?>

2月の辞任要求動議では61対39で否決されたものの、党内からは再度辞任要求の動きがあるという。

Julie Bishop weighs in to speculation Tony Abbott's leadership is under renewed threat from Malcolm Turnbull

http://www.smh.com.au/federal-politics/political-news/julie-bishop-weighs-in-to-speculation-tony-abbotts-leadership-is-under-renewed-threat-from-malcolm-turnbull-20150227-13q972.html

些細な事、とは言わないが、トニー、失言、失策が続いているようである。

豪州のアキレス腱、インドネシア ー 

豪州人2人が麻薬密輸罪で死刑判決。トニー「津波で助けてあげたんだから、今度は恩を返す番でしょう?死刑は中止して。」と発言。これにインドネシア国民が大きく反発。

津波支援金は死刑囚の命と引き換え? インドネシアで豪首相発言が波紋」

WSJ, By ANITA RACHMAN

2015 年 2 月 25 日 17:01 JST

http://jp.wsj.com/articles/SB12081608772373954249104580483240776133932

<余波は太平洋島嶼国にも>

豪州が抱える問題は多いがその一つがフィジーと太平洋の地域枠組み問題。

このブログでも何度もお伝えしているが、フィジーの軍事政権に厳しい制裁を課し、地域政府機関PIFからも創設者であるフィジーを追い出した豪州。

昨年の民主的選挙で「もう戻っていいわよ。」と言ったところ、フィジー政府から「NZ豪のいる PIFに戻る気は一切ありません。」とのしっぺ返しに遭った。

この状況を改善すべくこの3月に豪州主催の首脳会談を開催予定であったが延期。

即ちフィジーPIF復帰は遠のいた。

背景には、上記にあげた豪州政治の混乱が明らかにあるであろう。加えて、PIF新事務局長がコメントしたように、豪州NZが牛耳ってきたPIF事務局にこそ問題がある事が、即ち豪NZの対応に問題がある事が、誰でもない、PIF新事務局長自身によって周知されたのも理由の一つ、と想像する。

"Pacific Summit in Australia deferred"

PINA, 24/02/2015, Fiji

http://www.pina.com.fj/index.php?p=pacnews&m=read&o=213290811054ed56fb46158174fd57

"Proposed Regional Architecture Meeting In Australia Postponed"

By La Vuadreu

SUVA, Fiji (Fijilive, Feb. 25, 2015)

http://pidp.org/pireport/2015/February/02-25-03.htm