やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

ナウルの汚職,主権、難民 etc etc

八面六臂のPIF新事務局長、メグテイラー女史が、ナウルに飛んだ。

何があったのか?

ナウルの「闇の奥」はサイパンよりも何処よりも深い、ような気がして今までも横目で見て来たが書いたり、語ったりするのは避けてきた。

しかし、いよいよ、法と秩序と民主主義の危機、という事でテイラー女史が乗り込んだ形だ。

ナウルー 燐鉱石の国。人口1万。独立後燐鉱石の収入は国家を一時潤したが財政が破綻。その後ロシアマフィアのマネロンの話は余りにも有名である。加えてオーストラリアに逃げてきた難民を収容し資金援助を受ける、という事もしている。

下記のABCのビデオニュースは、15分の時間と英語が苦でない方は是非観ていただきたい。

Nauru President and Justice Minister face bribery allegations involving Australian company

http://www.abc.net.au/7.30/content/2015/s4251115.htm

簡単にまとめると、豪州のGETAXという鉱石会社がナウルの政治家から汚職の話を持ち込まれた。

市場価格トン400ドルのところ40ドルで売ってやるから、賄賂をよこせ。

その額数千万円。

国民は貧しいまま、一部の政治家のみ力と富を得た。

それだけではない。過去の汚職、殺人を取締調べようとした豪州の警察と弁護士を国外追放している。

この殺人事件というのは、現在法務兼財務大臣の夫人が生きながら油をかけられ燃やされた、らしい、という事件。調査を開始した途端に担当警察官(豪州人)が国外追放となったのだ。

同大臣は上記燐鉱石の汚職をマネージしており、5人の野党は入国ができない状況にある、という話だ。。

ナウルに乗り込んだテイラー女史、同国の首相から主権の問題である一掃された様子である。

PIFとしてどう扱うかは現PIF議長レメンゲザウ大統領に委ねる、とのこと。

レメンゲザウ大統領も過去に台湾の陳総督と組んでマネロンを展開した疑惑の過去がある。

陳水扁前総統 パラオでの資金洗浄容疑、不起訴処分に/台湾

【政治】 2014/08/07  フォーカス台湾

http://japan.cna.com.tw/news/apol/201408070006.aspx

みんなやってる越境犯罪、それを教えたのは旧宗主国

ピケティにこの問題を語って欲しい、というかどれだけ認識しているだろう?

<関連記事>

Nauru's president and justice minister allegedly bribed by mining company

http://www.theguardian.com/world/2015/jun/08/naurus-president-and-justice-minister-allegedly-bribed-by-mining-company

Suspended Nauru MPs hopeful of Forum helphttp://www.radionz.co.nz/international/pacific-news/280002/suspended-nauru-mps-hopeful-of-forum-help