やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

トランプ大統領、ナウルを援助対象国からはずす

中国の進出も目覚ましいが、ロシアもしっかり太平洋地域に進出している。

ロシアは太平洋島嶼国にロシアが押す南オセチアとアブハジア承認をせまった。

ナウルが現在承認しているため、米国トランプ政権が援助対象国から外した、というニュースである。

 

Nauru Ineligible For U.S. Funding Over Support For Breakaway Georgian Regions

Tue, 05/09/2017

http://www.pireport.org/articles/2017/05/09/nauru-ineligible-us-funding-over-support-breakaway-georgian-regions

 

 

ナウルは赤道から少し南に位置していたがために日本領とはならなかった。

昨日ブログにあげた国連海洋会議準備会合のPSIDSの議長をしたマリエーヌ大使の国だ。(「私が興味があるのはお金だけ!現金が地域に行き渡るの見たいだけ!」と述べられたそうです。

 

そしてトランプ大統領がターンブル首相との電話会談で一方的に切り上げた理由もこのナウル。豪州はナウルに難民収容所を設置。その難民の扱いについてオバマ政権と合意があったらしい。

 

人口一万のナウルではロシアマフィアによる8兆円のマネロンが行われて世界のニュースになった。

 

島の燐鉱石でほとんど掘り尽くされている。その収入は世界に投資されたが、豪州が牛耳る基金運営は成功とは言えず、金融危機で投資も大きく減った。以前はナウルビルが至る所にあった。日本の九州まで飛行機も飛んでいた。

 

米国が支援の対象から外すのはバイだけでなくアジア開発銀行、世銀など国際組織も含まれる。

こういう締め付けをするとどうなるか?

中国、ロシア等BRICSの支援が強化されるだけであろう。後怪しいビジネスも。。